コンバージョン過程の二つの分類法
一般にDRMの世界では、コンバージョンに至る過程を次の二つに分けて考えています。
ワンステップ型
非顧客のユーザーに直接商品の購入/申し込みを働きかける手法(CVRという側面だけに注目すれば既顧客も該当する場合があります)。広告出稿と刈り取りを同時に行うもので、Webでは、いわゆるショッピングモール系のECサイトなどがこれに当たります。CVRをメディア側がコントロールできる可能性がある手法とも言えるでしょう。
ただし、この過程では、CPO(顧客獲得単価:Cost Per Order)が低いことが成功の絶対条件になります。商品の販売単価が低く数がたくさん出て、リピート率が高い場合に有効な手法と言えるでしょう。
注意すべきことは、見込み顧客の認識率の高い出稿メディアを選択することです。DMならいざ知らず、訪問者のProfileが読めない新聞や雑誌、電波媒体などを使う場合には、ターゲット層の認識率が高いメディアは何かをよく吟味して選択しなければなりません。
ただし、Webサイトではそのもの自体がメディアですから、出稿メディアを選択するという概念はありません。そこで、誘導プロセスやSEO/SEMを考慮したり、バナーを張るメディアを最適化したりするなどの「外側の工夫」が必要になるのです。つまり、Webサイトそのものを最適化するのではなく、外に作る「窓」を最適化する手法になるわけです。
ツーステップ型
リード・ジェネレーション(見込み客発見)型の手法。その場で刈り取りを行うのではなく、反応者にもっと詳しい情報、カタログ、あるいはセールスマンの訪問(電話)などを要求させるものです。当然、反応者がカタログや情報を受け取った後に、発注→購入するまで販売は完了しません。しばしば、これらの見込み顧客はホットリードなどと呼ばれますが、最終的なCVRについては、二次的なコミュニケーションに左右されるために、メディア側では完全なコントロールが不可能になります。
このタイプのもうひとつのデメリットは、複数回に及ぶ広告コストが掛かるため、CPOも相応に高くなってしまう点です。そのため、商品の販売単価が高く、大規模なソリューションに近い商品が適当であると言われています。
また、このツーステップ型で重要なことは、Prospect層へのアプローチを最低でも二回行わなければならない(間接的接触/直接的接触)ため、間接的接触時の一人当たりの到達コストをできるだけ抑え、直接的な接触時に十分な刈り取りコストを掛けることです。
例えば、第一段階は(絶対的には高いが、読者数で割ると安い)新聞などのマスメディアで行い、反応者へのアプローチである第二段階でDMなどの高価なメディアを最小限に使用するというような工夫をすれば、コスト効率は高まるはずです。