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『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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統括編集長インタビュー

「効率重視、ROI最優先では市場は広がらない」 デジタル起点で新しい需要を喚起するために

 広告/マーケティング領域の変化が著しいが、キーパーソンたちはこの動きをどのように感じているのか。ヤフーの友澤大輔氏をホストに、ニキビケア製品「プロアクティブ」を扱うガシー・レンカー・ジャパンの藤原尚也氏と、ファッションECサイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイの清水俊明氏を迎え、2015年度のチャレンジと成果、また人材育成について話し合った。

マス広告は、これから認知を広げたい商材向け?

友澤:最近、色々な方と議論を重ねる中で「どう変わったらいいか」という話題がデジタルサイド、トラディショナルサイド問わず、本当によく挙がります。今日集まっていただいたお二人や私は、かなり早い段階からデジタルで試行錯誤を続けてきましたが、今もたとえばテレビを重ねたりLINEを組み合わせたりと、新たな策を探しています。そこで今回は、まさに今どのようなことに挑戦しているのかをテーマに話せればと思っています。まず、2015年度のマーケティングを振り返っての変化などをうかがえますか?

ヤフー株式会社 マーケティング&コミュニケーション本部 本部長 友澤大輔氏(写真左) ガシー・レンカー・ジャパン株式会社 デジタルマーケティング部 シニアマネージャー 藤原尚也氏(写真中央)株式会社スタートトゥデイ 取締役 兼 ホスピタリティ・マーケティング本部本部長 清水俊明氏(写真左)
ヤフー株式会社 マーケティング&コミュニケーション本部 本部長 友澤大輔氏(写真左)
ガシー・レンカー・ジャパン株式会社
デジタルマーケティング部 シニアマネージャー 藤原尚也氏(写真中央)
株式会社スタートトゥデイ 取締役 兼 ホスピタリティ・マーケティング本部本部長
清水俊明氏(写真左)

清水:2014年、ZOZOTOWNは10周年の節目を迎えました。年々2ケタ成長で増収増益を重ねて、昨年度が前年比12.5%増、今年度は30.3%増を目指しています。

 とはいえ、30%伸ばすのは、普通のことを普通にしていても難しいですよね。日替わりでクーポンを配信したり、LINE、テレビCMやWeb広告を再開してみたり、それこそどうやったら“ヤフトピ”に載るかという狙いで、昨年4月に「0円セール」をゲリラ的に行ったりしました。

友澤:約2億円相当でしたか、こっそり大量の0円商品が出たんですよね。

清水:そうです。社内のデザイナーからのアイデアでチャレンジングな取り組みでしたが、今や多種多様なデバイス、広告手法が乱立する中で、認知度を高め、話題作りをするのには、他社がやらない突き抜けたアイディアを具現化していかなければという危機感ですね。

スマホアクセス8割のプロアクティブ、外部ECサイトへも展開

藤原:当社も、ここ数年大きくやり方を変えたんです。テレビCMやインフォマーシャル起点の刈り取り中心から、ネットの中で新しい需要を喚起して、そこからファネルに落としていって刈り取る、社内で「デマンドクリエーション」と呼んでいる方法へ切り替えました。

 今、アクセスだと8割がスマホ、注文も7割がスマホでPCがどんどん減っています。そのため我々もスマホに注力していて、検索からの集客がうまく回り始めています。そこで、今年は“外に出よう”と。公式サイト以外に、ヤフーや楽天、Amazonにも本格的に商品を出して、売上を作っていきます。

友澤:テレビCMはどうされるんですか?

藤原:最低限、出稿します。それは獲得もありますが、認知の維持によるデジタル誘導と、日本人ならではの「CMをしているから安心」の演出ですね。ヤフーでは2015年、どうでしたか?

友澤:当社は、かなりテレビCMを出稿しましたね。その前年くらいから復活させました。我々としては、ネットだけではリーチできないユーザーも、やはりけっこういるという感覚です。CMを積極的に出したいのではなく、テレビや交通広告など、他のチャネルでどうするかをデジタル側が考えないといけない。悩みどころですね。それにしても、プロアクティブはすでに8割スマホなんですね。

藤原:PCサイトも続けますが、基本はスマホファーストですね。我々は単品なので、ひたすらABテストをしてCVRを上げています。1%上がれば、LTVへのインパクトが大きい。スマホは独自の購入フローがあるので、常にアップデートしています。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/03/11 12:00 https://markezine.jp/article/detail/24015

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