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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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統括編集長インタビュー

「効率重視、ROI最優先では市場は広がらない」 デジタル起点で新しい需要を喚起するために

市場を広げる取り組みを通してこそ人は育つ

清水:人を育てる重要性は、本当に感じます。同時に、ものすごいヒットを飛ばせる人は育成可能なのか、といつも思いますね。

友澤:清水さんのところは、人材マネジメントの観点からもよく取り上げられていますよね。ほとんど新卒ですか?

清水:そうですね。平均年齢が29.3歳、ほとんど近隣に住んでいて、企業カルチャーもユニークなので新卒のほうがなじみやすいのかもしれないですね。当社は代表が元々ミュージシャンということもあって、オリジナリティーをとても大事にしています。前のめりのチャレンジが失敗しても、比較的寛容です。そもそも、我々が扱うファッションはリアル店舗でも同じ商品を扱っているので、なんらかの差別化がないと突き抜けられない。

 だからまず大事なのは、失敗を許容する風土を作ること。そして、失敗しそうになっても仲間が支えてくれるという信頼関係です。

藤原:当社は外資なので、マネージャー以上には厳しい成果主義ですが、現場にはできるだけチャレンジを促しています。やはり、自分から行動を起こせば成長するし、引き出しも増える。また、自分から実行したことを人に説明する過程で理解度も深まります。それができる環境作りを私はしてます。

現場に対しては予算を確保、上層部は“巻き込む”

友澤:ヤフーでは昨年、社内で「マーケソン」というイベントをやったんです。マーケティングコミュニケーション本部のメンバーから企画を募って、通ったら私と川邊が命がけで予算を取ってくる。もちろん、やるからには効果検証まで言語化してもらって成果を求めますが、ある程度は割り切りますね。やはり、実践の中でしか育たないので。

 通常業務の中でも、予算を中途半端に切り詰めると、全力でアクセルを踏み込めなくなります。だからメンバーが本気でやっているものは、それなりに予算を取る。昨年は予算を取る人になっていました(笑)。

藤原:それ、大事です(笑)。当社は米国側がデジタルで伸びているので、日本でもデジタルでのチャレンジには寛容ですが、逆にトップがかなり細かいところまで確認して精査するカルチャーなので、上を巻き込むことも常に意識していますね。

 数字を積み重ねて何度もプレゼンして、上が納得してGOを出すところまでもっていく。すると、仮に打率が悪くても、ラーニングがあればいいという帰結にもなる。

友澤:巻き込むのも大事ですね。最後に来期の展望ですが、ヤフーでは、データを使ったコンテンツの最適配信に注力します。それを複数施策で複数回できるように、しっかり言語化して伝えていきたいですね。加えて、数字にこだわって工夫できる人を組織としてどう育てるかに取り組んでいきます。

清水:いろいろな技術もウォッチしていきますが、引き続き顧客を深く理解し、あるべきサービスデザインを模索していきます。それから、スマホの先にIoTがどうECに影響するのか、そのあたりも見据えた未来への提案として、服の新しい買い方や体験の仕方も探りたいですね。

藤原:当社では10代、大人の女性とターゲット別の施策を推進しながら、これまでニキビ対策といっていたのを拡大して、スキンケア発想での需要喚起をしていきます。Web動画を起点に、テレビCMで信用度を高めてまたデジタルに戻す流れを確立できれば。加えて、刈り取り精度を高めるために、これまで試していなかったアドテクも試してみたいです。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/03/11 12:00 https://markezine.jp/article/detail/24015

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