SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

MarkeZine Day 2016 Spring(AD)

少ないインプットで潜在的ニーズを導き出す~人工知能「KIBIT」が開くマーケティング活用の可能性

少量のインプットだけでレコメンドが可能に

 斎藤氏は前段の悩みに対し、「KIBITは最初にインプットするデータが少なくても、かなり精緻なデータ分析ができます」と語る。たとえば弁護士が必要とする訴訟メールの場合、最初に50から100件ほどのメールを「必要/不必要」に弁護士が仕分けて、インプットする。すると、2種類のメールの特徴をKIBITが把握し、膨大なメールデータの仕分けを代行する。結果についてフィードバックすれば、KIBITが学習し、精緻化していく。

 特に、専門家ではなく一般ユーザーの好みを学ばせるマーケティング活用の場合、最初に必要なデータ量はさらに少なく済むという。「ユーザーが好む商品を3つ、4つ教えるだけで、ある程度は好みに合う商品をお勧めしてくれます。インプット量が少なければ、すぐ実装可能になることもメリットですね」と斎藤氏は解説する。

 では、マーケティング領域で具体的にどのような活用が進んでいるのだろうか? 斎藤氏は、デジタルキュレーション、VOC(Voice of Costomer)やCRMへの応用、そしてコミュニケーションロボット「Kibiro」の3つを挙げる。

 ひとつ目のデジタルキュレーションとは、Rappaが電通国際情報サービスと協業して開発するKIBITを活用した高度なレコメンデーションエンジンを指す。ECサイトや口コミ系サイトに蓄積されているカスタマーレビューや商品説明文といったテキストデータを解析し、個々のユーザーの好みや趣味趣向を学習して、適切なレコメンドをしてくれる。

重要なのは「偶然の出会いを創出すること」

 通常、ECサイトなどを訪れると、まずカテゴリを絞り込むかキーワード検索をするのが一般的だろう。そうしないと目的の情報にたどり着けないからだが、その場合は絞り込んだ外側に潜む有益な情報に出会うことは難しくなる。

 「そうした形で除外されてしまう偶然の出会い、セレンディピティを生み出せるのが、KIBITの大きな価値だと思っています」と斎藤氏は語る。

 「これは、自分と似た人が買っている商品や、ランキング上位の商品が推薦されるのとも違います。似た人ではない、ユーザー自身の好みや価値観を正確に反映するため、かなりマッチング性が高い情報を提案できます」(斎藤氏)

 KIBITを用いたデジタルキュレーションは、ユーザーには偶然の出会いを生み出す一方、ECサイトなどの事業者には複数のメリットがある。たとえば在庫が動きにくい、ロングテールのテール側の商品の購買機会につながったり、前述のようにカテゴリ絞り込みに左右されないレコメンドによってカテゴリを超えたクロスセルが実現したりする。また、斎藤氏は人工知能や機械学習は、継続することのメリットが大きいと解説する。

 「使えば使うほど自分の好みを覚えてレコメンドの精度も上がるため、ユーザーには使い続ける動機になります。結果的にリテンションの効果も期待できます」(斎藤氏)

次のページ
目視でしか抽出できなかった顧客の声をピックアップ

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
MarkeZine Day 2016 Spring連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2016/04/18 12:00 https://markezine.jp/article/detail/24088

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング