4.5億ユニークブラウザを把握するDMP「AudienceOne(R)」が核に
統合的なデータ活用への対応として、DACが提示するのは「データ・ロジスティクス・エクスペリエンス(DLX)」という概念だ。データをロジスティクスのように考えて、企業がビッグデータを活用したい切り口のそれぞれを適切に支援し、全体のプロセスを統合して一気通貫するためのサービスラインナップを体系化している。
具体的にDLXは、5つのサービスカテゴリを有する。たとえばR&Dやデータ解析を行う「LAB」には、企業の社内外から使えるデータを洗い出し、必要に応じてデータ同士を接続したりカスタマイズしたりするツール群がそろう。また、データ活用のツール類の整備を司る「APPS」には、実際のデータ活用を支援する、オウンドメディアのアクセス解析ツールやマーケティング・オートメーション、LINEビジネスコネクトに対応したソーシャルメディア上での1to1コミュニケーションを実現するツールなどがある。
「これらを包括するDLXを、先の『7つのC』に対して提供しています。その際に核となるのが、当社のDMP『AudienceOne(R)』です。ひとりの人が持つ複数デバイスを把握しているため、現在4.5億ユニークブラウザ、導入企業は1000社を超えています」(徳久氏)
DACとIBMの異なる強みを掛け合わせ、包括的に企業を支援
DLXで提供するツール群と「AudienceOne(R)」を掛け合わせれば、たとえば優良顧客を自社データの外から発掘し育成することができる。自社データを分析して優良顧客の特徴を導き出し、それと類似のユーザーを外部から探して、DSPで効果的にアプローチすれば、優良顧客化しやすいユーザーを効率的に獲得することが可能だ。
「自社の優良顧客は10万人だったとして、自社とまだ接点のないポテンシャルの高い人が100万人いてもおかしくありません。そうした人にアプローチすることができます」(徳久氏)
最後に、改めてIBMとの連携について徳久氏は「アクイジション、リテンションを含めたマーケティングコミュニケーションを一貫してサポートすることが可能になる」と強調する。DACは前述のDMPをもって、膨大なユーザー情報をさまざまな接点から常に集約しているが、実際の企業の顧客データや売上データなどを扱うことは稀だ。そこで、IBMのデータ・エクスチェンジ・プラットフォーム「Universal Behavior Exchange」を介して、DMPと企業が持つ情報との接続を進めていくという。
「我々は、各種のデータ分析や連携などによって、企業のデータをよりリッチに拡張することができます。この強みと、企業に深く入ってシステム面からマーケティングを支援するIBMの強みを合わせて、さらに充実した企業支援を実現できればと考えています」(徳久氏)
IBMとDACのタッグにより、マーケティング施策の幅が一層広く深くなりそうだ。