企業が抱える課題「7つのC」―内部環境4Cと外部環境3C
「当社はメディアレップの特性上、クライアント数が約5,000社と膨大です。その中で多種多様な相談を受けているので、企業の課題を『7つのC』として整理してみました」と徳久氏は切り出す。それらは大きく外部環境の4Cと内部環境の3Cと分けられる。
順に紹介しよう。まず外部環境の1つ目はCustomerだ。自社の潜在顧客や優良顧客は誰なのかを見極めることだ。「今は50代の方が若い人向けの趣味を持つなど珍しくありません。従来のデモグラ視点だけではなく、インタレスト視点で捉える必要性が出てきています」(徳久氏)
2つ目は、Channel。クロスメディア展開やO2Oが当たり前になった今、最適なチャネルの組み合わせを導くことは不可欠だ。その積み重ねの先に、オムニチャネルの実現がある。
3つ目は、Creative/Contents。Web広告やメール、デジタルサイネージなど、さまざまなアプローチ施策のクリエイティブやコンテンツを最適化することも必要だ。アクイジションなのか、リテンションなのか、目的と接点の掛け合わせで適切なメッセージを届けることで、次のアクションを喚起できる。
外部環境の4つ目は、Communication。カスタマージャーニーの重要性が指摘される中、それを踏まえて新規や既存顧客などターゲットごとに適切なコミュニケーションを図ることで、効果を高められる。
データドリブンの重要性は把握しつつ、体制づくりにハードル
次に内部環境の3Cを見ていこう。1つ目は、Cloudだ。「これはSystemとも言い換えられる」と前置きし、徳久氏は「マーケティング領域にはたくさんのツールやシステムがあり、何を使ったらいいのか分からないという声を非常に多く聞いています。適切なツール選びが重要です」と語る。
2つ目は、Collaboration。組織体制のあるべき姿を見据えて、社内はもちろん、どのパートナー企業とどのようにタッグを組むかもマーケティングの成果を左右する。
最後に、Cost。ターゲットや、メディアやデバイスが細分化して数が増えれば、当然その最適配分が重要になる。「クリエイティブのROIをどう考えるべきか、あるいは運用を通したROI改善などの視点も必要でしょう」と徳久氏。
これら「7つのC」にデータを掛け合わせて、多くの企業がデータドリブンマーケティングに着手しようとしている。徳久氏によると、さまざまな観点でデータをどう吸い上げどう使うか、企業内でもかなり日常的に話ができている状況ではあるようだ。
「ですがまだ、実際に『十分活用できている』という段階には少し遠いかなという印象です。やはり、具体的にどのシステムを使い、どういう人を集めて、外部パートナーとどう協力すればいいのかという最初の体制づくりに特にハードルがあることがうかがえます。そこで我々も、これまでの知見を元に、統合的なデータ活用支援を強化しています」(徳久氏)