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AdRollを味方にフルファネルパフォーマンス・マーケティングに挑む、「お名前.com」の挑戦

リーチと最適化の両方を一気通貫で実現する「AdRoll Prospecting」

MZ:一般論として、リターゲティング施策は効率が良いものの、認知させて興味や関心を呼び起こし、将来的な見込み顧客を育てるためのリーチがとれないため、見込み顧客を刈り取りきってしまうと縮小最適化の壁にぶつかるという課題があります。CPAの改善などの効率化とリーチをいかに両立しているのでしょうか。

熊谷:効率化とリーチの両立は、多くの企業が向き合っている課題でしょう。私たちはその解決策の一つとして、リーチ目的で各DSPのリターゲティング以外の配信にも予算を投下していますが、2016年1月から「AdRoll Prospecting」(アドロール プロスペクティング)を活用しています。

「AdRoll Prospecting(プロスペクティング)」
AdRollが2015年6月に発表した、新規顧客獲得を支援するサービス。オプトインした広告主は、自社のファースト・パーティ・データをAdRollのIntentMapと呼ばれるデジタルプロフィールのデータプールに出し合う。このプロファイルデータとは別にAdRollアルゴリズムが本来蓄積している多種多様な広告主のユーザーのクッキーレベルでのインテント(購入意図)シグナル情報をもとに、IntentMapから広告主の既存顧客に類似した行動パターンを持つユーザーを見つけ出し、新規顧客獲得のためのユニークなオーディエンス作成を行う。これにより、サイト訪問者に限らず、購買ファネルのより上位のユーザーにもアプローチでき、新規顧客の獲得を図ることが可能となっている。すでに3,000社以上の広告主が参加し、12億件を超えるデジタルユーザープロファイルに接続している。

熊谷:「AdRoll Prospecting」は、AdRollのユーザー企業が所有するデータを互いに出し合って利用する、いわゆるセカンド・パーティ・データの活用です。自社で所有しているファースト・パーティー・データは、信頼性は高いけれども、あまりスケールは大きくありません。そこで他社が保有する匿名のプロファイルデータを活用することで、量と質を担保しながら新規顧客へのリーチ施策を図ることが可能になるのです。

桐原:リターゲティングをはじめ、どうしてもデジタルマーケティングでPDCAを回してしていくと、CPAの追求ばかりになって縮小最適化してしまうんですよね。そこで他社の親和性の高いデータを互いに活用することで、未来の見込み顧客へのアプローチを実現します。

MZ:しかし、「AdRoll Prospecting」に参画するには、自社のデータも提供する必要がありますね。そこに抵抗はなかったんですか。

桐原:正直に言うと、抵抗感は少しありました。でも、新しい取り組みには積極的に挑戦するというスタンスの中で、GMO NIKKOとAdRollさんから真摯で細かな説明をいただくうちに、直接的なデメリットはないと理解できましたし、むしろメリットの方が大きかった。そこで、まずは利用してみようという結論に至りました。

熊谷:米国で既に一般的であるというのも後押しになりました。それなら早い段階で参加した方がメリットも早くから得られると考えたのです。

桐原:「AdRoll Prospecting」を活用することで、購買ファネルの上部から下部まで、すなわちリーチから購入のアプローチまで、1つの媒体で施策が組めています。

MZ:リーチから刈り取りの効率化まで、一気通貫で施策が打てる中で、具体的にどのようにPDCAサイクルを回されているのでしょうか。たとえば、CPA単価はどのように算出されているのですか。

桐原:基本的には、購買ファネルの階層別に判断するのではなく、「事業的に予算を投入できる単価」を基準に施策全体のCPAを算出した時に基準をクリアできているかどうかを評価しながらPDCAサイクルを回しています。もちろん、全体のCPAからそれぞれ逆算して、階層別のKPIも落とし込んでいます。

熊谷:他社は直接CPAのみで見ているケースが多いと思うのですが、「お名前.com」はマーケティング全体のコストに対して、どのくらいの見返りがあったかというのを見ている。それができるのも、前述のような3PASでの指標の共通化や、DSP「AdRoll」と「AdRoll Prospecting」と連携でリーチから見込み顧客の刈り取りまで、一気通貫化が実現できたからです。

MZ:なるほど興味深いですね。

桐原:今は効率とリーチのバランスを取れるようになったので、CPAの維持を目的にリーチ施策のボリュームを落とすことは考えなくなりましたから。むしろ、「基準値をクリアできるリーチ獲得をどうやって広げるか」に頭を使うようになりました。予算的にも、まずは入口から入ってきてくれる人をきちんと確保することを考えます。当然、見込み顧客刈り取りの効果指標もありますから、KPIはあくまでも効率的に運用できているかどうかのチェックのために活用し、細かな数字には振り回されないように気をつけています。

MZ:マーケティングの大きな枠組みを、最新のテクノロジーを活用することでしっかりと確立しているのですね。今後の展望としては、どのようなことに取り組んでいきたいですか。

桐原:潜在層に対するアクションについては、まだまだ数も質も足りていないと感じています。今後は、“結果として”プロダクトの必要性を感じてもらえる、いわばカスタマージャーニーの上流を意識したコミュニケーションを積極的に行い、より多くのお客様にサービスをご活用いただけるようなマーケティングの枠組みを確立していきたいですね。

熊谷:これまでも心がけてはいたつもりですが、私たちもそうしたストーリーを広く共有して、広告のコンバージョンだけでなく、事業全体の課題についても解決策を提案できればと思っています。チャネルやデバイス等の概念がなくなる時代が間もなく到来することを予測し、AdRollさんにはクロスデバイス対応の強化をさらに期待したいですね。

MZ:それらが実現すると、また新しい可能性が広がりますね。今回は興味深いお話を誠にありがとうございました。

マーケター必読!日本におけるプログラマティックの現状

リターゲティングDSPの雄であるAdRollは、マーケターを対象にグローバル規模での調査を毎年実施し、日本においてプログラマティック広告やアトリビューションへの取り組みの実際の進捗、広告成果の指標と正確な計測方法、BtoBとBtoCごとの特徴や諸外国との比較・考察をまとめたレポート『STATE OF THE INDUSTRY 2016 JAPAN』を公開しています。資料ダウンロードは無料です。ぜひこちらからご活用ください!

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウマミ)

フリーランスのエディター&ライター。もともとは絵本の編集からスタートし、雑誌、企業出版物、PRやプロモーションツールの製作などを経て独立。ビジネス系を中心に、カタログやWebサイト、広報誌まで、メディアを問わずコンテンツディレクションを行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2016/06/30 11:14 https://markezine.jp/article/detail/24338

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