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第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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統括編集長インタビュー

高まる広告主のニーズ、PMPの発展は? デジタル広告のブランディング活用を探る

モバイル動画のアドプラットフォームを獲得

押久保:ベライゾンからみると、具体的にどういったマネタイズが可能になるのでしょうか?

花崎:彼らは米最大手のモバイルキャリアであり、ケーブルテレビのネットワークも有しているので、ディストリビューションの面では十分です。コンテンツの面でも、ディズニーをはじめ複数のメジャーコンテンツプロバイダと包括的な提携を結んでいます。

 一方、マネタイズの面では今、新たにネット配信動画の広告市場が拡大しつつあります。とりわけ、モバイルでの視聴ですね。ここを狙うという意図なのです。

押久保:すでに、動画広告のDSPとSSPまで整備しているAOLを傘下に置くことで、この新しい市場でもマネタイズのプラットフォームを獲得することになるわけですね。

花崎:ええ。テレビ、PCに次ぐ第三のスクリーンであるモバイルでの動画視聴は、今後ますます一般化します。NetflixやHuluといったOver The Top(OTT)サービスもモバイル視聴が当たり前になると、それは旧来のテレビ放送での広告出稿とは考え方が違ってきますよね。

 当然、データドリブンでパーソナライズな広告出稿が可能になります。それを実現するプラットフォームを有していたのがAOLということです。

 実際、現在のベライゾンのデジタル部門は、AOLのCEOであるティム・アームストロングが兼任して統括しています。

アトリビューションが根付く状況は整った

押久保:先ほどMTA分析の話も挙がりましたが、モバイル動画広告を含めてパーソナライズしたアプローチを実現していくということですね。

花崎:そうですね。ベースにあるのは「ONE ID」という考え方です。データドリブンの広告では、どのチャネルからでも個々人をユニークに押さえることが重要になります。特に、PCとモバイル、またネットにつながったコネクテッドTVも含めて、クロスデバイスのトラッキングを正確に行うことがポイントです。

 そのとき欠かせないのがMTAの概念です。さまざまなデバイスやチャネルでのユーザー行動を、まず1本の線で押さえること。それによって、最適な広告やプロモーションのプランを導き出して展開することが、広告主にとってもっとも効率的なマーケティングになってきます。

押久保:アトリビューションというと、日本では少し前に注目されたものの、評価計測の複雑さもあって、あまり定着しなかった印象があります。今からなら、定着しそうでしょうか?

花崎:啓蒙も含めつつのスタートになるかと思いますが、挑戦するつもりですし、定着すると見込んでいます。MTA分析を提供するConvertroは、日本でもサービスローンチの準備中です。

 アトリビューションは、最初の認知や態度変容を起こした接点まで含めて、アルゴリズムによって価値を配分して真の広告効果を可視化するものなので、データ量も必要ですし、先ほどのONE IDを追えるテクノロジーも必要になります。ここまでが現状で可能になったので、状況は整ったと見ています。

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広告主のニーズ高まるプライベートマーケットプレイス

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/06/02 08:00 https://markezine.jp/article/detail/24455

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