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『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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カスタマージャーニー研究プロジェクト(AD)

「お客様がストレスなく、納得して保険を選ぶ為のコンシェルジュに」アクサダイレクトのコミュニケーション

段階的なフォローメールで開封率を大幅にアップ

 こうしてチャネルや属性などから一人ひとりに最適化されたメールの開封率は、40%を超える。さらに、開封率をさらに高めるために、Marketing Cloudによって見込み客の属性や行動を分析、その結果に応じた内容のフォローメールの改良を図る。

 「自動車保険の検討期間は通常2〜3週間。そのホットな間に、1通目のメールを開封されていない方へ別の切り口でメールをお送りしたり、開封したけどログインされていない方に再設定の仕方をお知らせしたり、ログインしたけれど契約に至らない方に選び方のヒントをご紹介したりと、お客様の行動・反応に応じたフォローメールをお送りしています」(斎藤氏)

 こうしたフォローメールの送付によって、最終的な開封率は60%を超えるという。当然ながら、それに紐づく売上や顧客獲得数についても有意な効果が出ているのは間違いない。そして、さらに斎藤氏は「見えない効果」もあると語る。

 「たとえば、これまでのコミュニケーションを通して私達が把握した“お客様が不安に思うこと”をQ&Aなどにまとめてメールコンテンツとしてお伝えすることで、コールセンターへの問い合わせ入電が減少しています。お客様の不安の芽を摘みとると同時に、オペレーションの効率化ができているということです。実際に契約いただいたお客様の安心感や納得感もこれまで以上に向上しており、今後の満足度や継続率などにも反映されてくることを期待しています」(斎藤氏)

モバイル、コールセンターを含めたコミュニケーションへ

 一定の効果を出しながらも斎藤氏は「まだまだ道の途上」と手綱をゆるめるつもりはないようだ。そこには他の業種・業態とは全く異なるシビアな事情がある。

 「一般的なECと異なるのは、自動車保険の場合はその月に更新される方の人数が決まっており、それを逃すとその人については次の更新までチャンスがない、いわゆる、マーケットボリュームが決まっているシェア獲得争いだという点です。つまり限られた対象にできるだけ多くリーチするだけでなく、コンバージョン率を高めて契約につなげる必要があります。ですから、まだまだメールの開封率も高める必要がありますし、見積り後の、メール以外も含めたカスタマージャーニー全体を常時ブラッシュアップさせていく必要があります」(斎藤氏)

 中長期的には、Marketing Cloudとコールセンターデータベースとの本格的な連携も推進し、お客様との接点についてオムニチャネル対応を図っていきたいと斎藤氏は展望を語る。

 「これからは、トラディショナルな代理店経由の保険会社もネットへの傾倒を深めていくことは間違いありません。その中で、フロントランナーとしてお客様にどのような価値をいかにして提供していくか。当たり前のことではありますが、お客様一人ひとりへのきめ細やかな対応は重要だと考えています。当社のどのチャネルを利用いただいた場合でも、お客様の状況を理解した対応がとれるよう、これからも施策やサービスについて真摯に考えていきたい。我々アクサダイレクトはお客様から選ばれる保険会社でありたいと思っています」(斎藤氏)

 顧客が安心と納得をもって、保険をストレスなく選択するためのチャレンジを進めるアクサダイレクト。これからの進展も目が離せない。

カスタマージャーニー研究プロジェクトチームのコメント

加藤: 商材的に差別化が難しい自動車保険で、確実に成果を上げているアクサダイレクト社のデジタルにおける取り組み。お客様の反応に応じた段階的なフォローアップメールの結果の表れも、お客様がちょうどいい距離感だと感じているからこそ。また、モバイルという身近な接点を活用した『フリック見積(R)』も、簡単に自分にあった保険内容を選べる取り組みです。
その土台となる“カスタマー・セントリシティ”=顧客理解に基づいたお客様への対応は、チャネルや商品を超えて、目に見えない安心感の提供につながっているのだと感じます。

押久保:そもそもの商品特性に加え、検討時期は車の購入時や現在加入している保険の更新直前という制約もある中、“コンシェルジュ的コミュニケーション”を実現するという発想はお客様目線での思考がないと生まれないと思います。また、『フリック見積(R)』もお客様視点を持ったサービスだと感じました。次の自動車保険の更新時期に私も触ってみたいと思います。

カスタマージャーニー研究プロジェクトとは?
「カスタマージャーニー」、顧客の一連のブランド体験を旅 に例えた言葉。デジタルやリアルの接点が交差し、顧客の行動が複雑化する中、「真の顧客視点」に立って、マーケティングを実践する重要性が増してきました。
カスタマージャーニーに基づいたマーケティングの必要性は、その認知が進む一方で、「きちんと“顧客視点に基づいたシナリオ”を作成し、運用できている企業はまだまだ少ない」多くのマーケターに意見を聞くと、そのように認識されています。
今回、押久保率いるMarkeZine編集部とセールスフォース・ドットコム マーケティングディレクターとして、各企業とジャーニーを研究してきた加藤希尊氏を中心に、共同でカスタマージャーニー研究プロジェクトを立ち上げました。本プロジェクトでは、「顧客視点のマーケティング」における成功例を取り上げ、様々なアプローチ方法をご紹介していきます。その他の成功例はこちら

アクサダイレクトの「コンシェルジュ的コミュニケーション」を支えるテクノロジーとは?

 顧客接点や顧客の状況に合わせて、情報や提案する保険の内容を変えているアクサダイレクト。同社を強力にサポートするMarketing Cloudは、具体的にどのように機能しているのでしょうか?

 現在、Marketing Cloudの製品デモ動画を公開中です。記事とあわせてぜひ、ご覧ください!動画はこちらから。

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この記事の著者

加藤 希尊(カトウ ミコト)

チーターデジタル株式会社 副社長 兼 CMO
広告代理店と広告主、BtoCとBtoB両方の経験を持つプロフェッショナルマーケター。WPPグループに12年勤務し、化粧品やITなど、14業種において100以上のマーケティング施策を展開。2012年よりセールスフォース・ドットコムに参画し、日本におけるマーケティングオートメ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

伊藤 真美(イトウマミ)

フリーランスのエディター&ライター。もともとは絵本の編集からスタートし、雑誌、企業出版物、PRやプロモーションツールの製作などを経て独立。ビジネス系を中心に、カタログやWebサイト、広報誌まで、メディアを問わずコンテンツディレクションを行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2016/11/01 16:24 https://markezine.jp/article/detail/24816

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