SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

統括編集長インタビュー

デジタル一辺倒に待った!デジタルネイティブにアナログが効く時代の最適なコミュニケーション

“デジタリアン”へのエバンジェリスト=MAベンダー

押久保:なるほど。ではなぜ、組む相手がMAベンダーだったのでしょうか?

鈴木:理由は2つあります。ひとつは、僕が特に動かしたい相手――デジタル環境に慣れて育った20代〜30代前半の若手マーケターを僕は“デジタリアン”と呼んでいるのですが、彼らにとってのエバンジェリストが、MAベンダーだったから。MAは近年マーケターの関心を集めていますし、ベンダーの側も情報発信に積極的です。

押久保:“デジタリアン”とは分かりやすいですね。彼らに届くPR経路として、MAベンダーに注目したと。

鈴木:ええ。もうひとつの理由は、MAベンダー自身がデジタル×アナログの最適な組み合わせについての情報を求めていたことです。彼らが標榜しているのはまさしくフルチャネルコミュニケーションの自動化ですが、アナログ施策の知見は決して厚くない。

 同時にメール開封率の低下、アドブロックの拡大、さらにデジタル施策が計測できるがゆえに効率主義に陥って効果が縮小するといった課題もあり、デジタルだけに頼れないという危機感もありました。

 先のような調査結果が出たところで、実際には各商材や業種業態によって、最適なシナリオは変わるでしょう。それは僕も答えを持っていません。なので、実験に賛同・参加いただける広告主とMAベンダーをつなげて、デジタル施策とDMを組み合わせた実証実験プロジェクトを通して事例をつくり、発信していこうと考えました。

事例を蓄積して最適なシナリオパターンを導く

押久保:`実際に、実証実験はどの程度まで進んでいるのでしょうか?

鈴木:MAベンダーは、現時点では、マルケト・日本オラクル・アドビ システムズ・エクスペリアンジャパンの協力を得ています。参加広告主は、1社目はクラウド名刺管理のSansan、2社目にサプリメント通販会社が進行中です。ほかにも様々な業種の企業と話が進んでいます。

 プロジェクトではDMの送付先のターゲティングをデータドリブンで行い、当然その効果も数値で証明していくので、精緻なデータ解析には外部会社の協力を得ています。

押久保:今後のプロセスとして、具体的にどう展開されていく予定ですか?

鈴木:大きく3段階の展開を見込んでいます。フェーズ1は、実証実験で手応えのある結果が得られることが前提ですが、デジタル×アナログを組み合わせた施策に「効果がある」と、参加した広告主の口から語っていただくこと。他の広告主に気付いてもらうきっかけにしたいと思います。

 フェーズ2は、とはいえ個別ケースになるので、複数の事例を蓄積して知見を抽出し、ある程度は汎用性のあるシナリオのパターンを導くこと。フェーズ3は、デジタル×アナログを組み合わせる価値が広がり、多くの広告主が自発的に実験をし出すようになる状況。

 さらに最終段階が、僕の目指すゴールにもなりますが、マーケティングの潮流として「デジタル×アナログ施策」が最新トレンドになることです。

次のページ
MAツールにDM発注や送付が組み込まれる時代

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
統括編集長インタビュー連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2016/08/19 08:00 https://markezine.jp/article/detail/24967

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング