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【検索担当の自由研究】ストア検索だけじゃない!「ウェブ検索」と「アプリ」の深~い関係

アプリをウェブで検索するのは、何故だろう?

 続いて、ウェブブラウザではどのようなアプリニーズに基いて検索が行われているのかを覗き見してみましょう。今回は、2つの視点での検索傾向を見てみたいと思います。

  1. 「アプリ」を含むキーワード検索:検索キーワードにずばり「アプリ」が含まれているもの。「明確にほしいアプリが決まっているわけではないが、何らかのアプリはほしい」ニーズを示しているのではないかと考えています。
  2. 具体的なアプリ名でのキーワード検索:既に目的のアプリが定まっている状態の検索キーワード。「モンスト」などのゲームタイトルをイメージしていただければわかりやすいかと思います。

「スシロー」と「スシロー アプリ」に見るアプリ特有のニーズ

 まずは、(1)「アプリ」を含むキーワード検索の傾向から見ていきましょう。ずばり、「アプリ」というキーワードは、どのようなワードと一緒に検索されているのでしょうか。2016年8月の実績から上位ワードを覗いてみると、以下の傾向に分類できます。

A.固有名詞(アプリ名・企業名)を表すワードとの掛け合わせ ヤフー、ライン、アマゾン、snow、ユーチューブ、スシロー、パワプロ、ポケモンgo、ユニクロ、丸亀製麺……etc
B.アプリの用途・カテゴリを表すワードとの掛け合わせ 天気予報、乗り換え案内、無料ゲーム、カメラ、家計簿、ダイエット、写真加工……etc
C.その他の一般語 無料、人気、ストア……etc

 仮説として挙げた「明確にほしいアプリが決まっているわけではないが、何らかのアプリはほしい」ニーズを超えて、「固有名詞+アプリ」という検索ニーズが幅広く存在していることがわかりました。特に、Webサービスと同時展開している「ヤフー」「アマゾン」「ユーチューブ」のようなワードや、実店舗を示す「スシロー」「ユニクロ」などのワードとの掛け合わせは、よりピンポイントに「“このサービス”の“アプリ”を使いたい」という明確なユーザーニーズを表しています。

「実店舗名単体」と「実店舗名+アプリ」の検索数比較
「実店舗名単体」と「実店舗名+アプリ」の検索数比較

 「実店舗名+アプリ」の検索ボリュームは、いかに店舗(企業)側がユーザーニーズを汲んだアプリを提供できているか、を示しているようです。

 例えば前述した「スシロー」と「アプリ」の掛け合わせキーワードは、単体ワードと比較して約13%の検索ボリュームとなっています。これは、他の実店舗キーワード群と比較すると高い数値です。店舗で順番待ちをせずに予約ができるなど、顧客に寄り添ったアプリ利用特有のニーズを生み出していることが検索傾向からも読み取れます。他にも、お得度の高いクーポン配信をしている「丸亀製麺」や「ガスト」のアプリが同等の割合でアプリ志向の検索を生んでいます。

 B.のアプリの用途・カテゴリを表すワードとの掛け合わせに目を向けると、「カメラ」「写真加工」「家計簿」等のキーワードでは「アプリ」との掛け合わせが単体での検索をしのぐボリュームである一方、以前よりWebベースのサービスが普及している「天気予報」「乗り換え案内」等は、アプリ特化のニーズが比較的薄いようです。前述のワード群は「アプリ」での利用イメージが明確になっているからかもしれません。

「用途名単体」と「用途名+アプリ」の検索数比較
「用途名単体」と「用途名+アプリ」の検索数比較

Pokemon GOがモンストのユーザーを奪った?

 続いて、(2)具体的なアプリ名でのキーワード検索について見ていきましょう。ここでは、昨今の人気ゲームタイトル(私の独断と偏見で、「モンスターストライク」「パズル&ドラゴンズ」「Pokemon GO」「白猫プロジェクト」をピックアップします)の検索数推移と、各タイトル名と一緒に検索されているキーワード群を覗き見してみたいと思います。

 まずは検索数の推移から。やはり2016年一番の大事件は、「Pokemon GO」の配信開始だったといえるでしょう。

主要ゲームタイトルの検索推移(2016年5月~8月)
主要ゲームタイトルの検索推移(2016年5月~8月)

 もともと「ポケモン」というコンテンツ自体には一定の検索ボリュームがあったものの、「Pokemon GO」配信開始前からの各メディア等での報道も手伝い、7月の1か月で急速に検索数を伸ばし、他タイトルを抜き去りました。「Pokemon GO」の登場まで、ゲームタイトルの検索数では「モンスト」が長らく首位を保ってきましたが、「Pokemon GO」の配信開始以降は検索数に落ち込みが見られ、8月の実績では「ポケモン」と「モンスト」が検索数としてはほぼ横並び、という状況になっています。あくまで検索数上の推移でしかありませんが、「Pokemon GO」の登場により、これまで「モンスト」をプレイしていたユーザーが一部離反した可能性も考えられます。

 続いて、掛け合わせキーワードの傾向です。上記のゲームタイトルに加え、「LINE」や「メルカリ」等の非ゲームアプリについても言及してみたいと思います。それぞれ、どんなキーワードと一緒に検索されているのでしょうか。

 次の表は語幹「アプリタイトル」との掛け合わせ頻出キーワードです。

モンスト ガチャ、ニュース、攻略、速報、解放の呪文、まとめ、研究所……etc
ポケモンGO 攻略、ダウンロード、レア、図鑑、強いポケモン、遊び方、アップデート……etc
LINE アプリ、無料スタンプ、ダウンロード、引き継ぎ、ブロック、ブログ、マンガ……etc
メルカリ アプリ、トラブル、初めて、売れない、送料……etc

 既に多くのプレイヤーがついている「モンスト」と登場したばかりの「Pokemon GO」を比較すると、前者は攻略やイベント情報の取得ニーズが数多く検索されており、キーワードのバリエーションも多数発生しています。一方後者で目立つのは「ダウンロード」というそもそもアプリを入手していないユーザーのニーズや「遊び方」などの初心者のニーズからの検索です。国内ではすでに息切れ感も伝えられている「Pokemon GO」ですが、dメニュー検索ユーザーにおいては、まだまだプレイヤー増の伸びしろがありそうです。

 「ダウンロード」というキーワードは、「LINE」との組み合わせでも頻出しています。すでに国内で6,800万人が利用しており、生活インフラとして定着した感のあるLINEでも、ユーザーの検索ニーズが少なからず存在しているのには驚きです。

 「LINE」や「メルカリ」など非ゲームの実用系アプリでは、サービスの使い方にフォーカスした検索が発生しているのも特徴的です。ことLINEは、利用数が多いこともあり、使い方に関する掛け合わせ検索(引き継ぎ、ブロック等)がバリエーション豊富に発生しています。

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ウェブ検索をアプリプロモーションにどう生かす?

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D2Cスマイル編集部(ディーツーシー スマイル ヘンシュウブ)

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2016/10/03 08:00 https://markezine.jp/article/detail/25284

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