広告業界への課題感を払拭する新会社
押久保:スマートフォンが定着したことでデジタルが一般化し、より実生活と直結する存在になりました。御社の設立も含め、ここ最近はデジタル推進を意識した新組織の誕生など、業界内の動きが活発です。
本松:ADKのことを言えば、2014年に3Dデータベースを扱うアクシバルを設立していますし、弊社ならADKやアクシバルの強みを活かした連携ができる。各社の最近の動きは、業界全体がメディア以外の貢献度に目を向けはじめたからこそ、余計に活発になっていると思いますね。
押久保:現状のアブソルートワンの体制を教えてください。
本松:現時点で社員は私を含めて4名ですが、今後どんどんその陣容を拡大していく予定です。既存のADKからの出向もそうですが、当初からアブソルートワンのコンサルティング事業を志望する人間も、アサインしていきたいと考えています。また、私自身も現場の案件にジョインしてバリバリやります。コンサルタントという肩書きも掲げているのは、そのせいです(笑)。
押久保:トップが現場にでるというのは、クライアントからすれば心強いですし、嬉しいのではないでしょうか(笑)。今、活気があって結果を残している会社ほど、そうした印象があります。
本松:特に最初は、社内に資産として蓄積できる事例をどんどん作っていくという狙いも含めての考えですが、全体戦略からバナーのクリエイティブまで可能な限り関わっていきます(笑)。
「Creative」「Media」「Data」を大切に
押久保:ここまで業界に対する課題感と、その克服を目指した一つの姿として新会社設立の経緯について、お話いただきました。おっしゃるように、ADKやアクシバルと連携できるのは、他にない御社の強みです。
本松:最近は、ブランドさん側の課題感がものすごく高まっています。5、6年前からデータを可視化、計測したいニーズは強くありましたが、ニーズで止まっていた印象です。
私たちは、社の強みであるエンジンとして「Creative」「Media」「Data」という三つの要素を提唱しています。クライアントの事業を成功へと導くためには、「Data」を可視化すると共に、その分析結果を戦略へ昇華させることが重要です。また、戦略を施策レベルにブレイクダウンした上で「Media」と「Creative」という手段で、顧客の獲得まできっちりエグゼキューションしていくことを標榜してます。

同時に、デジタルはとかく獲得だけに目が行きがちですが、きちんとブランドマネジメントの視点も持っていきたいと考えています。ブランドを毀損することなく、ユーザーから評価され、お買い上げいただく。クライアントは、ブランドエッセンスを保ちながらロイヤルカスタマーを獲得できるためのパートナーと組みたいと考えているはずです。
押久保:御社のWebサイトに書かれている、クライアントに「絶対的な価値(= Absolute one)」を提供します、という一文が特に印象的です。
本松:ありがとうござます。謳ったからには、ちゃんとやらないというプレッシャーも感じていますが(笑)。売りとブランディングは、ある意味二律背反です。共存は本当に難しいけれど、二律背反的な2要素をブリッジさせて、事業への成功を呼び込むのが私たちの役目ですし、ちゃんとやらないといけないと強く感じています。