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EC事業者が取るべき次の一手は自社アプリ Yappliが語る「アプリが売上を牽引する」の真意とは

 「モバイルファースト」が叫ばれるようになって久しい昨今、ECの現場において、自社製アプリを導入するか否かは喫緊の課題だ。2016年10月に行われた「ECzine Day 2016 Autumn」では、クラウド型アプリ開発プラットフォームの「Yappli」を提供する、ファストメディアのマーケティング エヴァンジェリスト、金子洋平氏が「アプリがEC売上No.1の時代へ」と題して講演を行った。ECzineでは「おしゃれEC通信」という連載を持ち、文化服装学院の非常勤講師も務める同氏が、EC事業者がアプリを利用することによる効果、及びその可能性について語った。

2020年までに倍増。アプリはすでにブラウザを超えた

 ECといえばWebブラウザ上で行なうもの、という時代はすでに過ぎ去り、現在はアプリでの売上が無視できないほどの成長を見せている。「ECzine Day 2016 Autumn」に登壇した金子洋平氏は、アプリの開発、運用、分析など、自社アプリに必要な機能がオールインワンになったクラウド型アプリ開発プラットフォーム、「Yappli」を提供するファストメディアのマーケティング エヴァンジェリスト。ファッション系専門学校の文化服装学院で非常勤講師も務める同氏の視点から、現在のEC業界におけるアプリの使われかた、及び自社アプリでの成功例などが語られた。

ファストメディア株式会社 マーケティング エヴァンジェリスト 金子洋平氏

 金子氏いわく、アプリ経由のEC売上は、すでにWeb広告やメルマガを上回っており、アプリの総ダウンロード数も、現在の約1,500億から4年後にはおよそ2倍の2,840億になると予想され、アプリの存在感は今後ますます大きくなる見込みとのこと。

 接触時間についても同様のことがいえる。これはECに限ったデータではないものの、ユーザーのアプリとの接触時間は年々伸び続け、現在はブラウザのそれをはるかに上回っているという。

 「会場のみなさまも、毎日起きてから寝るまで、スマートフォンを使われていると思いますが、ブラウザとそれ以外のアプリの利用時間は、すでに3:7でアプリのほうが多くなっています。仕事中にパソコンでブラウザを使う方でも、その多くが、アプリのほうをより長く利用しているのです」

飽和したゲームアプリ市場。ECこそが市場の中心となる

 アプリと言われて多くの人が思い起こすのは、やはりゲームではないだろうか。モバイル時代の到来以来、多くのゲームアプリ企業が登場し、話題を集めている。最近では「Pokémon GO」の大ヒットが記憶に新しいところだ。しかし、ひとたびアプリ全体を見回してみると、ゲームアプリ市場はすでに成熟期を迎えている。その成長率は横ばいとなり、現状は飽和状態ともいえる。

 その代わりに、伸びているジャンルもある。ニュースアプリなどのメディア系、業務改善などのソリューション系に続くのが、EC(ショッピング)アプリだ。その成長率は81%に達し、「アプリでモノを買う」習慣が今後ますます根付いていくであろうことを示唆している。

 「ECアプリの成長は著しいものがあり、我々も非常に注目しています。無印良品のMUJI passport、マクドナルド、スターバックス、ユニクロなど、みなさまのスマートフォンにも、どれか1つは入っているのではないでしょうか。これらアプリでは、情報やクーポンの配信や来店時のチェックインなど、それまで紙媒体で行われていた施策が、アプリを通じて実行されています」

利用率、到達率、開封率。アプリはすべてにアドバンテージを持つ

 アプリがブラウザに対して持つアドバンテージは、それだけにとどまらない。利用率のデータに着目してみると、その差は10倍ほどに広がるという。

 「リリース後、1年半以上経過したアプリの利用率の平均値を計測したところ、当社クライアントの実績では約30%でした。一方ブラウザは、もちろんサイトによって数値に違いはあるものの、おおよそ3%から5%程度といわれています」

 利用時間については、ブラウザが1日平均約23分のところ、アプリはその4倍の1時間30分ほど。その他にも、プッシュ通知による到達率や開封率は30%から70%。メルマガの平均的な開封率といわれる10%から25%に比べ、高い数値を示している。

出典:Nielsen Mobile NetView ブラウザおよびアプリからの利用

 「EC企業がアプリに注力する理由は、このような明確な数値の違いがあるからではないかと考えます」

「プログラミング不要」でアプリが作れる、Yappliの強み

 とはいえ、iOSとAndroidという異なるプラットフォーム、頻繁なバージョンアップへの対応など、アプリの開発はとかく労力がかかるものだ。Webサイト時代と同様に、商品販売は集客力の高い大手ECサイトにある程度任せる、という選択肢もあるだろう。

 その負担を肩代わりしようというのが、ファストメディアが提供している「Yappli」である。Yappliは、プログラミング不要で高品質なアプリを作成することができるサービス。アプリを短期間で作成することができ、日々の運用もCMSで簡単に行うことができるため、事業会社はPDCAをまわすことに集中できる。現在では、カジュアルファッションのライトオン、スポーツシューズメーカーのニューバランス、通販のディノス、アウトドア用品のTHE NORTH FACEなどの公式アプリとして利用されているという。

 「アイテムのお気に入りへの登録、売り切れ商品の再入荷やセールの情報などをプッシュ通知でお知らせする、といった機能がよく利用されています。これはEC事業者にとって有利であるだけではなく、ユーザーにとっても非常によい購買体験になっているのではないでしょうか」

圧倒的No.1のチャネルに成長。アプリの導入効果はROASで3,000%以上

 金子氏は引き続き、今回のセッションのテーマである「EC売上はアプリ経由がNo.1」にちなんで、YappliによるEC事業のサンプルとしてAZUL by moussyの事例を取り上げ、その効果について語った。

 「公式アプリリリース直後、売上に至るまでの経路は、ダイレクトや検索によるものが上位を占めていました。しかし、アプリの導入後しばらくすると、アプリが最も売上を作るチャネルとなり、それも圧倒的な数字となりました。これをROAS(投資に対する売上の効果)で見ると、3,000%以上にもなります」

クーポン、オンライン、オフライン。アプリ導入のため、できることはすべてやる

 いくら優れたアプリを開発しても、ユーザーにダウンロードしてもらわなければ始まらない。金子氏は、そのための具体的な施策についても、事例を交えつつ説明した。

 「最もわかりやすいのは、やはりクーポンです。アプリのダウンロードやアンケートへの回答で、500円分のポイントプレゼント、といったキャンペーン。それに、公式サイトやTwitterアカウントなどから、アプリストアへの導線を確保する。オフラインでも、店頭のPOPやレシートのQRコードなど、とにかくアプリへの誘導をくまなく設けます。アプリのインストールが増えるほど売上が上昇することがわかっているのであれば、できることはすべて実行することです」

EC新時代の幕開けに「アプリ」は必須

 最後に、アプリをインストールしてからの「アクティブ化」について、金子氏は再度AZUL by moussyを例に出し、効果的だった3つのポイントを語った。

 1つ目は、プッシュ通知機能。ファッションアイテムに関するカタログ、スタイルコーディネートなどの定期的なお知らせに加え、タイムセールといった時限性のあるものが、その対象になっているという。

 2つ目は、GPSとの連動機能。街を歩いている時、最寄りの店舗を探す際などに利用される。「位置」というスマートフォンの優位性を最大限に活用したこの機能も、ブラウザにはないアプリならではの強みといえる。

 最後は、ポイントカード機能の内蔵だ。AZUL by moussyでは、アプリで貯まるマイルサービスを展開。店舗での買い物の際、アプリ上に表示されるバーコードを読み取ることで、マイルが貯まる仕組みになっている。本機能では、マイルの付与だけでなく購買履歴を確認することも可能となっており、アクティブ率向上およびアンインストール対策として、非常に大きな成果を発揮したという。

 金子氏は最後に、「EC新時代の幕開けに際し、『アプリ』というチャネルは必須になっていくでしょう」と語り、セッションを締めくくった。

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この記事の著者

渡邊 徹則(ワタナベ テツノリ)

株式会社Version7代表取締役。Web・コンテンツ制作、分析、マーケティングなどを手掛ける。
執筆業では、主にソーシャル、EC、海外サービス、メディアなどが専門。
会社概要 - seven@ver7.jp - Twitter/Facebook @brigate7

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/12/06 10:00 https://markezine.jp/article/detail/25705