日時を指定したアプローチを仕掛ける理由
MZ:Webなのに、日時を指定したアプローチを選んだのはどうしてですか?
出牛:ネスレアミューズで通期のコンテンツを配信していると、公開初日や配信当日のタイミングで習慣的に訪問される方もいます。そうすると当然、つながりが深くなりますよね。ある共通のテーマで、継続して来られる方とコンタクトを図れるのは貴重だと感じていたので、習慣的に訪れるユーザーが多いantenna*さんでタイミングを決めてアプローチするのは効果的だと考えました。
MZ:平日夜だと、帰宅する電車や自宅でのリラックスした時間に見られますよね。
出牛:ええ。動画全体として、昼休みや夜の時間帯のアクセスが多いです。もちろん、antenna*さんを選んだのはスマホシフトをさらに強化したい意図もありました。
今回は初めての取り組みだったので、「くつろぎ」や「リラックス」といった共感されやすいテーマを週ごとに設定してみました。紹介の仕方も動画だったり静止画だったり、またネスレシアターにナビゲートするのが良いのか、antenna*さんのページ内で見せて完結したほうが良いのかなど、複数のパターンを試してみました。
MZ:では、具体的な効果をうかがえますか?
出牛:まだ検証の途中ですが、まず動画の視聴時間は想定よりも長かったですね。antenna*さんの特長として、宣伝色を強くしないタイアップでも滞在時間が長いと聞いていたので、それが動画コンテンツでも表れたのだと思います。
ユーザーが受け取りたい言葉で情報を届ける
MZ:視聴時間が長いということは、元々のショートフィルムの目的であるブランドの世界観を伝えるという部分にも手応えがあったのでしょうか?
出牛:そうですね、リーチできた方のブランド理解にはある程度寄与したと思います。毎週のテーマ設定と紹介する作品がマッチしていたか、紹介の仕方が適していたかという部分は、「クリック数」「総視聴時間」などを指標に、分析している最中です。
MZ:出稿してみて得られた知見などはありますか?
出牛:やはり伝える側の我々のプッシュ感が強いと、成果に反映されづらい印象はありましたね。クリック数や総視聴時間が伸びたものは、こちらの発する言葉と、ユーザーの受け取りたい言葉がうまくマッチングしていたんだと思います。例えば涙活など、ユーザーと親和性が高い言葉で情報やデータを届けることが大事なのだと、改めて勉強になりました。
また、antenna* Marketing Dataを通じて、一連の弊社の広告接触者が普段antenna*さんではどういったメディアを閲覧しているのかといったことが明らかになりました。今後の投資の効率化において役立つデータとなっています。
MZ:それは、詳細な効果検証が楽しみですね。では今後の展望をお聞かせいただけますか?
出牛:ネスレアミューズのトラフィックや会員数の拡大が大きな目標ですが、これだけオンラインの接点が多様になる中では、成功体験に固執しすぎない姿勢や、新しいことへのトライも重要だと思います。最近「分散型メディア」というキーワードが聞かれるように、ネスレアミューズの内容を充実させながら、デジタルのコンタクトポイント全体でどう接点を持つかを考えていきたいですね。
オウンドメディアへの来訪を待っているだけでは、生活者にとってどんどん深い階層に潜んでしまうだけなので、複数のプラットフォームでの展開・活動も積極的に行っていければと思います。