動画を知るきっかけは「Twitter」。「ミクチャ」も人気
ここで、彼女たちがスマホで動画を見る際に利用しているアプリやサービスを整理してみましょう。
主要アプリ・サービスの一覧を用意し、「スマホで動画を見る際に利用しているアプリやサービスは?」と訊いてみました。回答をまとめたものが下の図です。

YouTubeやTwitterはほとんどすべての回答者が、またMixChannelも多くの回答者が使っているとのことでした。一方、多くの動画配信系サービスの名前は挙がってきませんでした(唯一、TVerを利用していた人が1人)。筆者が動画を目にする機会が多いFacebookも、彼女たちには使われていないようでした。
各サービスの使い方について発言のなかで最も印象に残っているのは、「動画はTwitterで知ることが多い」とか、「友達からTwitterで回ってくる」とかいったものです。また、「最近お気に入りの動画を教えてください」と投げかけると、まずTwitterを起動してタイムラインを繰って探す人が多かったのです。
ここから、様々な動画がTwitter上で拡散され、彼女たちに認知・視聴されていることが推察されます。

一方、YouTubeは話題の動画を検索したり、お気に入りのアイドルの動画コンテンツを見た後に、その視聴履歴からおすすめされたものを次々視聴したりする、といった使い方をしているようです。
MixChannelは比較的多くの人が使っていたものの、使い方は人によって異なるようでした。
先述のMixchannel上の「一般人の有名人」アカウントを我々に紹介してくれた回答者(NO08匿名希望さん)はミクチャが大好きで、様々なジャンルの動画を毎日のようにチェックしているとのことでしたが、他の回答者は「踊ってるよね」ぐらいの反応で緩くつながっている印象です。
Instagramのストーリー機能を使ったコミュニケーション
もうひとつ興味深かったのが、以下の発言です。
インスタのストーリーで友達がアップしている写真や動画を見てる。1日で消えちゃうんですよ。これ。めっちゃ流行ってる。友達が「焼肉食べてます」とか、自転車に乗ってる動画の逆回転とか、面白いの作って。(NO5匿名希望さん)

インタビューでは「自分では動画は撮らない」という回答者が多かったのですが、一部の女子高生(10人中3人)では、動画は「見るものではなく撮るもの」という意識があるようでした。さらにいうと、単に「日常を切り取って伝えるもの」ではなく、「おもしろい動画を作って見せ合うもの」と位置づけられているようです。
つまり、友達同士のコミュニケーションやあそびのツールとしてスマホ動画が活用されていました。ちなみに彼女(N0O5匿名希望さん)は、我々の目の前でInstagramのストーリー機能を使って、渋谷の街を映しながら、手書きで「しぶや」の文字を入れて、「こんな感じ」と動画の作り方を教えてくれました。
女子高生のスマホでの動画視聴実態まとめ
以上、女子高生10人へのインタビューによって、我々とは全く異なるスマホでの動画視聴体験が明らかになってきました。
また、「動画を知るきっかけはTwitterで」「一般人の有名人」「おもしろ動画」「動画を作って友達に見せる」など、彼女たちをターゲットに動画を使ったコミュニケーションを検討する際のキーワードもいくつか見えてきたように思います。
最後に、インタビューのまとめを記載しますので、ぜひご参考ください。
- スマホでの動画視聴は女子高生の生活の中に「普通のこと」として定着していた。通信速度制限がかかるほどのヘビー視聴者も10人中4人。
- スマホで視聴される動画の種類は、おもしろ動画、アーティスト・アイドル動画、メーク動画など。
- TwitterやMixChannel上の「一般人の有名人」による動画も、着目され視聴されている。
- 「動画を知るきっかけはTwitter」との声多数。「ミクチャ」も人気。
- 一部では、Instagramのストーリー機能を使った友達との動画コミュニケーションも「流行っている」模様。