各広告をダイアグラムで表現するには?
様々な種類の広告手法がありますが、ターゲティングやクリエイティブを調整すれば、基本的にはこのダイアグラムで表現することができます。
ここでは一つ、検索連動型広告を例にとり具体的な手法を見ていきましょう。
検索クエリでダイアグラムを描く
先ほどの感情変化を表すダイアグラムをすべて検索クエリに置き換えます。そのクエリに対して、次の感情に導くのが広告文、その広告文の先の感情がLPという具合です。転職エージェントを例に記載しました。

右上に行けばいくほど、ユーザーが求める情報は細かくなっていきます。一つの検索クエリに対して、右隣や上隣のクエリが、恐らく次にユーザーが欲しがる情報です。その欲しがる情報を広告文やLPで訴求をしていくということが大切なのです。
たとえば「転職」という検索クエリに対して、隣にあるのは「転職エージェント」や「求人サイト」。これは転職をするための手法にあたるクエリです。そのため、転職と検索したユーザーに対しては、転職をする手法(エージェントを利用するか、求人を自ら探すか)という選択肢を提供し、レコメンドする必要があるかもしれません。
ただ、自社サイトでは拾いきれない検索クエリ「○○ 口コミ」や「○○ 評判」などもダイアグラム上に出てきます。
検索ユーザーとしては第三者的なフラットな視点で商品を知りたいと思っているので、そこに自社で直接リーチしてもユーザーが求める情報にはなりません。
そういった場合は、アフィリエイトを利用した、比較サイトや口コミサイトへの広告掲載で補うという方法も考えられますね。
機械の自動最適化を最大限生かすために
今回は自動最適化では行えない、ユーザー感情を中心にした広告設計をお話ししてきました。当然、自動最適化を含めたアドテクノロジーの知識や、それを有効的に使うためのスキルセットは今後必ず必要になってきます。
「多くの知見を身につけ、様々な技術を知る」という行為そのものは推奨するべきものですが、あまりに便利になり、その便利さに目を奪われすぎて、根本のユーザー感情を動かすという課題から目を背ける方が、多いような気がしています。
広告を含め、マーケティングの根幹にあるものはユーザーとのコミュニケーションです。テクノロジーによる自動最適では見えてこない、「人の感情が動き、行動が変わるポイント」を設計すること。それこそがテクノロジーが発達している時代のマーケターに求められているスキルセットだと、私は思っています。