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MarkeZine Day 2017 Spring レポート

“ブランド横断”の資生堂“商品ブランド”のポッカサッポロ、両社に見るファンコミュニティ運営の姿勢

商品ブランドのファンコミュニティを運営する狙いとは

武田:ポッカサッポロさんは会社のブランド全体ではなく「じっくりコトコト」のスープでコミュニティを立ち上げられましたね。

大槻:2016年10月に「じっくりコトコト」というブランドが20周年を迎えました。実は、私どものスープ事業は業界2位。そのため、どうしても価格競争に走りがちです。その状況で、飲料・食品メーカーの私たちが永続的に成長していくためには、ロングセラーブランド一つひとつを強くすることが大事だと考えています。そこで、20周年を機に適正価格に是正し、さらに消費者コミュニティを作りました。

 営業からは「売上は大丈夫なのか?」という心配とともに、「短期的なコミュニケーションの場を作ってプロモーションをしてほしい」という声が上がりました。実際にディスカウンターでの売上は2割ほどダウンしましたが、定価で買っていただく、例えばコンビニエンスストアでは15%アップし、トータルの売上は前年を超えました。さらに、コミュニティに集まっている声を営業に伝えることで、自分たちのブランドに対する誇りと自信を改めて持つことができました。

ファン同士が語り合える場を創出

武田:対象的に資生堂さんはブランド横断的な取り組みをされていますね。

仙田:「おめかし会議」は2014年4月から、資生堂ロイヤルファンを対象に招待制で始めました。スタート時から約1年半の間は5,000人ほどの規模で少しずつ会員を増やす方針で進めて、現在32,000人弱の方にご参加いただいています。

 「こんなふうに使ってる」「こんなところがよかった」「ここが悪かった」「こんなところを直してほしい」などという声が飛び交っています。コミュニティを長く続けていると、コミュニティを引っ張る人たちがだんだん増え、ユーザー同士のつながりも生まれています。現在、7割ほどはユーザー同士の投稿によって成り立っています。今後はロイヤルファンの方たちが、コミュニティ外にも資生堂の商品、ブランドに関するコミュニケーションを広げてもらえることを目指したいと考えています。

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コミュニティ自体が自走していく

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この記事の著者

元永 知宏(モトナガ トモヒロ)

1968年、愛媛県生まれ。立教大学野球部4年時に、23年ぶりの東京六大学リーグ優勝を経験。ぴあ、KADOKAWAなど出版社勤務を経て、フリーランスに。『本田宗一郎 夢語録』、『羽生結弦語録』(ぴあ)などを編集。2016年10月に『期待はずれのドラフト1位』(岩波ジュニア新書)を上梓した。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/04/13 11:00 https://markezine.jp/article/detail/26288

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