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統括編集長インタビュー

デジタルが本流になった今こそ求められる透明性と誠実さ

広告プランニングもマスとデジタルが同時並行

押久保:ちなみに中村さんが今おっしゃった潮流は、どのくらいのスパンで起こっていたものなんでしょうか?

中村:ここ10年くらいの変遷でしょうか。ただ、一気に加速したなと感じるのは最近です。

宮本:デジタルが本流という点でいうと、広告プランニングでも、昔はマス媒体を決めてからデジタルを考えていたのでデジタル内に留まった最適化でよかったのが、この1年くらいで急に、マスとデジタルを一緒に考える案件が増えています。それに呼応するように、大手企業でも対応する部署の組織自体をがらっと変えるケースが出てきていますよね。

押久保:本当に、今が転換点なんですね。一方で、御社が軸足を置くアドプラットフォーム領域は群雄割拠の時代を経て、収斂フェーズになっていますよね。現在の業績や見通し的には、どのような状況でしょうか?

宮本:おかげさまで、昨年度の弊社の売上高は230億円を超え、前年度比1.6倍の成長を遂げています。特にアドプラットフォーム事業はDSP「ScaleOut」、SSP「Ad Generation」、そして動画広告配信プラットフォームの「AppVader」がとても好調です。他社がPCベースで運営してきているところ、当社は早い段階からスマートフォンにフォーカスしているので、スマホが伸びた分がそのまま追い風という状況です。

押久保:いっときは、外資系ベンダーの参入や、スタートアップもそれなりの数があったと思いますが。

宮本:外資は撤退したところも多かったのじゃないでしょうか。国産のアドプラットフォームも数が収斂されてきていて、規模がそれなりあるか、何かに特化した強みがないとビジネス的に難しくなってきていると感じます。

デジタルがマーケインフラになる世界

押久保:アドプラットフォームも例に漏れず、ステージが変わるのが早いですね。ではお二人から、今後注目のトピックを教えていただけますか?

宮本:二つあって、一つはマス広告とデジタル広告の融合です。CMやOOHですら広義のディスプレイ広告と捉えることができるので、マスとデジタル領域を掛け合わせた広告運用を今まで以上にしっかりと設計することでマーケティング活動をもっと進化させていきたいですね。

 もう一つは、先ほども話に挙がったアドベリフィケーションです。ブランドセーフとフラウド排除は、まさに“ちゃんとやろう”の最たるものですね。当社も一定のシェアを持つベンダーとして、両方の機能を標準装備していますが、基本的な前提としてフラウドが出てこない状態を早く作りたいと考えています。

中村:僕も二つあるんですが、一つは先ほどからの繰り返しになりますが、データのデジタル領域外での活用が根付くか? です。単純なCTRやCPAの改善に留まらず、営業支援や商品開発に活用する時代になると思うので、そこは率先して取り組みたいと考えています。

 もう一つは、ネクスト・スマホは何なのか。今だとまず、ロボティクスやAIですね。配信アルゴリズムの最適化は既にAIの活用を進めているので、人の手から広告の運用負荷を減らしてクリエイティブやマーケティング戦略そのものを考えるのに集中できるようにしていきます。

 さらにその次に何が来るのかにもアンテナを張りながら、デジタルが生活者のインフラになったのと同じように、デジタルがマーケティングのインフラになった世界を早く実現したいですね。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/05/26 14:00 https://markezine.jp/article/detail/26450

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