第一に問題の検出と改善
デジタル広告キャンペーンの改善や効率化を図る際、まず何よりも大切なのは現状の把握と問題となる要素の速やかな排除です。つまりは広告配信においてパフォーマンスの劣化につながる様々な要因(ブランド毀損につながるような低クオリティのメディアや不正インプレッション、視認性の低い枠など)を正確に検出し、排除することです。
正しい各指標や計測データに関しては既に紹介しました。次にそれらの問題要素をどう排除していくか解説いたします。大きく分けて排除する方法は3つあります。
- 計測データを用いた広告運用で予算配分を効率化
- Blocking 機能を活用したブランド毀損と不正インプレッションの排除
- 入札前に問題要素を取り除くPre-bid機能の活用
1.計測データを用いた広告運用で予算配分を効率化
1に関してはBlocking機能やPre-bidが機能的に使えない配信メニューでも有効で、計測できるメディアであればどのキャンペーンにおいても活用できるメリットがあります。
一方、データを見てからの改善になるためリアルタイム性がなく、ある程度問題が発生してからの対応になってしまいます。それでも計測データを用いた運用だけで80%以上の非常に高いビューアビリティを実現しているキャンペーンなどもあり、運用次第でかなり効果を発揮できる方法ではあります。
2.Blocking機能を活用したブランド毀損と不正インプレッションの排除
2のBlockingですが、ブランド毀損につながってしまうようなコンテンツへの広告配信が検知された場合、そこに広告が表示されないようにする機能です。機能の詳細に関してはそれぞれソリューションを提供するベンダーによって手法が異なります。
弊社の場合は広告が問題のある面に配信されないよう、広告のコールを止め、場合によっては代替広告などを代わりに配信します。一方、他のベンダーは実際に配信されてしまった広告を背景色や代替広告などを被せることにより表示そのものではなく閲覧をブロックしています。
いずれにしろ、広告が問題となるようなコンテンツで閲覧されることを防ぐことができ、特にブランド毀損の問題に真摯に取り組む広告主や代理店にとってはインプレッション発生時にリアルタイムで問題を排除できる方法として国内外含め広く活用されています。
ただしこの機能の場合、ブロック機能を受け入れていないメディアやネットワーク、もしくは計測のみしかできないソーシャルメディアでは活用できず、メディアプランによっては活用の幅が限られてしまう可能性もあります。
3.入札前に問題要素を取り除くPre-bid機能の活用
3つ目の手法であるPre-bid機能は、ソリューションを提供するベンダーによって使用できるDSPが限られますが、DSPと計測データを連携することにより、入札前に問題となるコンテンツを排除する方法になります。
Pre-bid機能ではまず入札時にBid URLを検証し、ブランドセーフティや不正インプレッションの問題がないか、ビューアビリティがどれほど見込めるかなど、複数の要素から入札の有無を決定します。そして広告主が求めるクオリティやパフォーマンス以外の面や枠を入札の候補から外し、より良い枠だけに入札・配信する形になります。
一つの短所としてデータ連携ができているDSPでないと利用できないため、利用の幅が最も限られてしまいます。一方、入札する前に精査がされるため、非常に効率も良く、過去データを参照することでビューアビリティを使った効率化も行えるのが最大の長所です。
Pre-bidを使い、ブランド毀損の問題を9割以上排除できた例や、ビューアビリティを2倍近く改善できた例など、国内外含めて事例ができています。