商品価格にメスを入れるという斬新な着眼点
以上、特に興味深かった4つの仮説の検証結果をご紹介してきました。時間の関係でセッションでは仮説8~10の検証結果は紹介されませんでしたが、その他の仮説についてもSlideShareで資料が公開されておりますので、興味のある方はぜひ読んでみてください。
もちろん、仮説の検証においては突っ込みどころもあります。例えば仮説2の検証では、価格の高い商品も低い商品と同じ入札単価が設定されている場合、競合が価格の高い商品に対してより高い入札単価を設定していれば、広告ランクによるインプレッション機会の損失が発生する可能性があります。結果として、価格の高い商品が安い商品のインプレッション数を大きく下回るのは十分想定できます。
しかしながら、入札単価や商品フィードの最適化といった広告運用者側で調節できる項目ではなく、広告主の商品価格を最適化の要素として組み込んでしまうという考え方は初めて聴くもので非常に斬新でした。引き続きテストは必要とのことでしたが、将来的には商品価格も含めてショッピング広告を設計・運用するという時代がくるかもしれません。
海外カンファレンスで新たな視点を得る
筆者は本セッション以外にも、SEM関連のセッションを中心に参加してきました。カンファレンス全体を通して、除外設定も含めたターゲティングの具体的手法や、検索連動型広告とソーシャルキャンペーンの併用、顧客ペルソナの構築やパフォーマンス分析の考え方等、戦略から戦術に関する内容が非常に幅広くかつバランス良くカバーされていた印象を受けました。
もちろん既知のものも多く、日本にいても入手できる情報があったのは事実ではありますが、本場の米国でのトレンドを肌で感じることはできましたし、なかば非日常の環境の中で、普段使う言語とは違う言語で情報に触れることで、これまでとは違った視点で広告運用、マーケティングに関して考えることができた良い機会でした。
日々の業務でなかなか海外カンファレンスに参加する時間を取れないという方もいらっしゃると思いますが、参加できる環境があるのであれば、ぜひ一度参加することをおすすめいたします。筆者も今後定期的かつ積極的に海外カンファレンスに参加していきたいと思います!(参考:2017年下半期に開催される海外デジタルマーケティングイベントの情報)
本記事は「Unyoo.JP」の記事「マッドサイエンティストによるショッピング広告のリバースエンジニアリング:SMX Advanced 2017より」を要約・編集したものです。オリジナルコンテンツを読みたい方は、こちらをご覧ください!