SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

有園が訊く!

知らないと蚊帳の外に?正しい広告取引の実現に向けたブロックチェーン活用の意味

5~10%の誤差が現状 ズレの根拠を明確化に

有園:具体的に、どういったことをされたのでしょうか?

馬渕:1インプレッションが発生すると、そのデータはアドサーバー、SSP、アドエクスチェンジ、DSPを経由して取引が成立します。

 ただ、計測技術やタイミングの違いなどを理由に、媒体社は「1,000万インプレッションを表示した」というレポートを出すのに、広告主が使っている計測ツールでは「900万インプレッションを表示した」というような誤差が出ているのが現実です。全容を把握する事は非常に難しいので、5~10%の誤差が出ているのが現状です。すべてを確実にトラッキングすれば誤差の根拠が明確化されます。

 なので実験では、この各トランザクションのデータをブロックチェーンのプラットフォームに入れて、突き合わせをしました。

有園:先ほど、今回の実験が第一歩とのことでしたが、今後のステップはどんなイメージになるんでしょうか?

馬渕:まずは、現状の把握を進め、トラッキングの技術を確立していきます。そして参画する企業を増やして、オープンプラットフォームを築くこと。将来的にはプラットフォームの自動化でしょうか。そんなステップですね。

参画企業の増加が今後のスピードを左右する

有園:今おっしゃった“自動化”というところでは、AIが機能しそうな感じですね。

馬渕:まさに、そうですね。まだ、すべてが自動化できるのか、どこかでは人の目が必要なのかは見えていませんが、少なくとも「この条件が整えば入札」という個々の契約はAIに任せられるはずです。

 ディスプレイもサーチも全部、アルゴリズムを決めてさえいれば、勝手に学習して進めてくれる。人間は最初のプランニングと、取引が回るのをチェックしてチューニングするのが仕事になりますね。

有園:ちなみに、日本でも先のIABの様な動きが今後あるのでしょうか?

馬渕:あり得ると思いますね。実証実験でも今後、また参加社を募るタイミングがあると思いますし、最終的にブロックチェーンのプラットフォームが増えたり、IABの様な団体がそれを認証したりする可能性もあるでしょう。

 ただ、いずれにしても広告主が大きくこれをリードしないと、動きが加速しない。ここが肝ですね。アメリカを見習って、2、3年で確立しないとまずいと思っています。

有園:なかなか喫緊の課題ですね……。マーケターとして、常に状況を知っておかないといけないですね。最後に、直近の実験の展開があればうかがえますか?

馬渕:今後、より検証が進んだ後で実験の報告会をしたいと思っています。ぜひ多くの方に関心を持ってもらいたいですね。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
有園が訊く!連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

有園 雄一(アリゾノ ユウイチ)

Regional Vice President, Microsoft Advertising Japan

早稲田大学政治経済学部卒。1995年、学部生時代に執筆した「貨幣の複数性」(卒業論文)が「現代思想」(青土社 1995年9月 貨幣とナショナリズム<特集>)で出版される。2004年、日本初のマス連動施策を考案。オーバーチュア株式会...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2017/07/27 08:00 https://markezine.jp/article/detail/26779

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング