目標CPAの達成率229%を実現!
今回ワンスターには、直近のYCDの活用事例を挙げてもらった。飲料、食品、調味料の国内大手の総合メーカーであるカゴメが、通販限定で販売している野菜ジュース「つぶより野菜」の展開事例。コンテンツをフックに中長期的にジワリと効果が高まりがちだと思われるYCDで、比較的短いスパンで見事に目標KPIを達成した好例である。
つぶより野菜の場合、YCDを利用する以前は、既存の運用媒体で出稿し、目標のKPIをCPAに据えたものの達成率が73.1%(2016年10月実績)。ところが、YCDに出稿したところ、CPAの目標達成率が229.0%(2016年10月実績)へとジャンプアップした。
「つぶより野菜の施策でも、ターゲット設定シートを通じて徹底したリサーチ、市場のポジショニングを分析して、この商品が最も響く訴求を熟考し、YCDのコンテンツとして展開しました。2016年に累計本数1,000万本を突破した商品ですが、従来の手法ではリーチできなかった顕在ニーズへの訴求と、販売実績の底上げに寄与できたと思います」(増井氏)
ヤフーの立場からは、完全内製化などワンスターならではの強みについて、以下の見解を示した。
「ワンスター様が成果を出せるのは、自前で制作体制を構築できているからです。これはワンスター様はじめ、YCDで実績を残す代理店様に共通した特徴です。弊社は各ステップでの審査が多く、厳格ですので、記事の展開にはやや高いハードルがあります。コンテンツ作成のノウハウを社内で横展開できる体制は、次の機会にもダイレクトにつなげられるでしょう。
また、そもそも審査を通すことだけが目的ではありません。クライアントニーズを満たし、エンドユーザーの関心を引きつけるコンテンツ作りが望まれます。サービス開設当初から全社的に取り組むワンスター様は、オリジナルのターゲット設定シートを導入しながら、そうした点を踏まえた内製化に成功されています」(宇都宮氏)
多様なコンテンツで購買に繋がる活用に期待
最後に、互いの要望や今後の展望をうかがった。
「皆さんには、顕在層へのリーチで取りこぼしがないかを再確認してほしいです。弊社は“コンテンツを使ったダイレクトマーケティング”に大きな可能性を感じており、今後も実践し続けます。YCDは有効な手法のひとつです。新規獲得や売り上げアップをYCDで実現するために、全社をあげて最適化に磨きをかけていきます。
また、弊社はナショナルクライアントを手がける機会が多いです。ブランドセーフティが問われる昨今では、より安心して出稿できる商品としてYCDの審査基準の厳しさは継続してほしいです」(増井氏)
「今年だけでも、前年比でYCDの出稿主が数倍と増えていますが、現状はまだまだ使われ方が限定的です。その中でワンスター様には、購買ファネルの使い方に一石を投じていただきました。
世の中の人の関心は無限大です。現在のYCDにおいて、流通するコンテンツやクリエイティブパターンでは足りないのが現状で、それぞれのユーザーにとって心が動かされる、多様なコンテンツが並んでいてほしい。YCDがその一翼を担いたいですね。
ワンスター様には、是非ターゲット設定シートを用いた制作のノウハウを、他の業種やコンテンツへの展開にも試してほしいです。他分野でも大きな成果を残すと予想しています」(宇都宮氏)
YCDを用いたワンスターの取り組みは、結果重視のダイレクトマーケティングで得た知見をもとに、コンテンツを使った効果的な手法だ。YCD活用の幅を広げる先例として大いに参考にしたい。