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成功事例から学ぶ!コミュニティマーケティングの秘訣

主婦ブロガーを起用して大成功!徹底的な階層化で自走するcottaのコミュニティ運営事例

オフラインのイベントは嫌い! オンラインのイベントで大成功

松澤:コミュニティを運営するうえで、イベントも実施されているのですか?

佐藤氏私、オフラインのイベントは正直嫌いなんですよ(笑)。と言っても年間15回くらい開催した年もありましたが、“目的はブロガーさんとの関係強化”と割り切ってましたね。オンラインでイベントの開催を知って、オフラインのイベントまで出向く方って、オフラインを重視される方が多いんですよ。店舗で買えるなら買いたい、と考える層なので、オンラインで購入はしない。

 うちはオンラインでコンバージョンする商売なので、オフラインでイベントをしても売上げには本当に遠くてだから、思い切ってオフラインイベントは辞めました

松澤:オンラインで帰結する商売だと、オフラインイベント開催に必要となる時間や工数、スタッフなど相当なコストになりますよね。今は、どうされているのでしょうか?

佐藤氏:InstagramとFacebookでライブ動画配信を始めました。これはすごく好評で、効果も抜群です!ライブ動画にはこの階層のトップであるパティシエが登場します。生で見る人もあとでアーカイブを見る人もいて、かなり盛り上がります。この場合、ランディグページに動画で出てきた商品のURLなど貼っておけば、売上げにかなり直結しますね。

ライブ配信される動画の様子
ライブ配信される動画の様子
ライブ配信した動画はアーカイブされ、いつでも繰り返し視聴可能に
ライブ配信した動画はアーカイブされ、いつでも繰り返し視聴可能に

松澤:サイトに掲載されていたライブ動画のアーカイブも拝見しましたが、盛り上がりが伝わってきました。オフラインで、パートナーさん同士の横のつながりを作るコミュニティイベントなどは行わないんですか?

佐藤氏行っていないです。皆さんSNSを駆使されているので、特に機会を設けなくてもつながっている方もいるようです。そこは自由に任せています。

松澤:最後に、SNSの活用について教えてください。SNSで、良いコミュニティメンバーをお手本として見せることは珍しくないのですが、cottaさんのInstagramは、リポスト(※)専用で使われているのもおもしろいです。

 リポスト:Twitter上の「リツイート」と同じように、Instagramでほかの人の投稿を引用し、自分のアカウントから投稿・シェアすることを「リポスト」という。これを行うには、Instagramとは別に専用のアプリが必要である。

佐藤氏はい、弊社のInstagramには、#cottaや、その時々で募集するハッシュタグの投稿から選出してリポストしています。運営側が撮影して掲載することはありません。

 リポストするのはパートナーでもオフィシャルパートナーでもない、一般のユーザーさんのお写真ですフォロワーが多いことも、ブロガーかどうかも、関係ありません。素敵なお菓子が綺麗に撮影されていて光る投稿があれば、リポストするんです。私たちとしても、新しくパートナーになっていけそうなポテンシャルのある方を発見する場所として活用しています。

松澤氏:大変勉強になりました!ありがとうございました。

今回のポイント3つ!

(1)通販サイトからレシピ掲載も兼ねたメディアへと方向性を変えて、コミュニティを形成
(2)コミュニティマーケティングは中長期戦略が功を奏す
(3)階層化を駆使して自走するコミュニティへ

 「何も珍しい戦略は取っていない」と仰る佐藤さんでしたが、インフルエンサーやユーザーが勝手に投稿したくなる、理想的なオンラインコミュニティを創り上げ、実際に売り上げにも繋げています。単なるECサイトから、レシピを掲載するメディアのスタイルへと転換したのが、今回の重要なポイント。商品だけでなく、関連するトピックにまでニーズを広く捉えることがコミュニティの運営では非常に大切です。

 また、繰り返しになりますが、コミュニティは今日やって明日数値が伸びるものではありません。でも、長期的に信頼関係を作れば、ユーザーがユーザーを呼び、自然と集客ができて、結果的に売り上げも立つ。それをうまく体現されている好例でした。

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この記事の著者

松澤 亜美(マツザワ アミ)

 コミュニティマーケティングを専門とするコンサルタント。2014年より、Pinterest Japan3人目の社員としてコミュニティマーケティングマネージャーを務める。その後2016年10月からadidas Japanでブランドマネージャーを務めたあと独立。現在は企業や個人に対し、自走するコミュニティの企画運営、活性化をメインに、コンサルタントとして活動している。

 また、2008年に異文化理解コミュニティLunch Tripの共同代表としてコミュニティを立ち上げて以来、国内4拠点や海外、保育園などで活動を拡大し続けている。その他、トラベルブロガーとして世界45カ国以上旅しながら各誌コラムを掲載したり、J-waveでトレンドコーナーを担当したこともある。

 配信ブログ:「Ami-Go!旅と食とピクニックと。」

 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/09/29 09:00 https://markezine.jp/article/detail/27091

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