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日本郵便「デジタル×アナログ」実証実験プロジェクト(AD)

なぜ今DMが深く刺さる?LIFULLとアジャイルメディア・ネットワークが挑むデジタル×アナログ施策

デジタルで予兆をつかみ、DMでリーチさせる

鈴木:DM×メールの施策シナリオはこれからだと思いますが、現時点でDMや実証実験に寄せる期待やアイデアを教えてください。

野口:課題としては3つあります。第一に、先ほども説明したように、デジタルだけではプロセスの分断が起きること。特に最終コンバージョンに関しては、ユーザーが本当に不動産会社に来店したのか、契約したのかまでは、デジタルでは追えません。

 第二に、不動産サービスの利用者の中には、Webを使わない方も多くいらっしゃるので、そこにリーチできないこと。

 第三に、不動産の売却や住み替えなどわかりやすく予兆や、ターゲット特性をとらえたマーケティング手段がないこと。不動産業界ではまだまだ広告媒体としてチラシに多くの予算が割かれています。ですが、チラシは全地域に配るのでどうしても効率が下がります。

 そこを「このユーザーは◯◯年前に住宅を購入したから、そろそろ住み替えを検討しているかもしれない」とか、「この地域のこのマンションの◯◯◯号室は家賃相場が△△だから◇◇の分譲広告のターゲットだ」などとデジタルデータを活用してDMを送付し、オンラインに呼び込み、トラッキングするという流れを作りたいと思っています。

上田:当社の場合、アンバサダープログラムとDMの相性がいいと考えています。DMは実際にモノを送ることができますし、当社もアンバサダープログラムの中でサンプル品を配ることがあります。サンプルを配った後、実際にどう拡散したのかをより確実に追っていきたいと考えており、今回のDM×メールの実証実験は、そうした可能性を探る機会になると思っています。

 ただその前に、DMの効果としてどういう態度変容が起こるのか、社内で知見をためておかなくてはなりません。まずはこのアンバサダープログラムを企業に認知していただき、関心を持っていただくためにDM×メール施策を活用する考えです。そうして知見をためてから、アンバサダーへのDM送信を進めていきたいと考えています。

五十嵐:アンバサダープログラムについては、現在Webを通じてお問い合わせをいただいたり、営業訪問から案件化したりすることが多いのですが、このアクションだけでは案件化しにくくなっているという課題があります。

 そこでDMを活用し、「当社のアンバサダープログラムを推奨してくださるアンバサダー」を発掘・ナーチャリングしていきたいと考えています。アンバサダープログラムのことを、企業アンバサダーの方に推奨してもらうようにしていくというイメージです。

 とはいえ、すべてのお客様に無限にDMを送付し続けるのはコスト上不可能なので、すでに導入しているMarketoと連動させ、データ分析やA/Bテストを組み合わせながら精度を高める工夫をしていきます。

 最終的には、当社が提供している、アンバサダープログラムを実施するためのマーケティングプラットフォームの中でDMソリューションを構築して、企業様へと提供していきたいと考えています。

鈴木:時間も限られているので、テストシナリオについては、優先順位の高いものから実施していくことになるでしょうね。おすすめなのは、これまでと同じようにメールでしかコミュニケーションを取らない層をコントロール層として設定しておくことで、DM効果の比較がしやすくなります。DMのクリエイティブを分けるかどうかは、シナリオ次第でしょうね。

HOME'Sのデータで察知した「入居のタイミング」にDMを送る

鈴木:野口さんの施策では、どのような層をターゲットに想定していますか?

野口:基本的に、直近で最低一度はHOME'Sを使った方で、かつ住所入力をしていただいている方が対象になると考えています。実証実験における最終コンバージョンは、「住まいの窓口」や不動産会社に足を運んでいただく、あるいは住宅の購入・契約という想定です。セグメントの切り分けについても検討中ですが、ライフステージ要素を採り入れたいですね。

 さらに可能であれば、不動産領域にとどまらないソリューションを作っていきたいです。HOME’Sに登録されていたのに表示されなくなった物件では、すでに分譲が成約して新生活が開始しているとみなして、家具や家電を扱うサービスへと誘導する施策が考えられます。

鈴木:おもしろいですね。住所に関するデータベースをお持ちなので、入居のタイミングをみはからって、そのタイミングでDMを送るというのはデジタルとアナログの見事な合わせ技です。

 ちなみに、DMで家電量販店などへ来店を促す場合、本人を特定できるキーIDを入れておき、ハガキと引き換えのプレゼントキャンペーンを行うなどして、DMを見て来店したということをトラッキングできる仕組みを設ければ、より精度の高い効果検証ができるはずです。

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“デジタリアン”とDMが化学反応して生じる、新ビジネスのヒント

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2019/10/18 16:23 https://markezine.jp/article/detail/27220

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