デジタルインファクトは、レコメンドウィジェット広告※市場の調査を実施し、このほど、その結果を発表した。
※レコメンドウィジェットとは、アドネットワークを通じたネイティブ形式のデジタル広告配信機能に加えて、媒体社もしくはプラットフォーマー向けにウェブサイトを訪問したユーザーの回覧を促す機能を持つ仕組みを指す。そして、これを活用して配信されるのがレコメンドウィジェット広告。同調査では、レコメンドウィジェットを活用して配信されるネット広告の流通総額を市場規模として推計・予測を行っている。
市場規模は2017年に前年から倍増の148億円に
同社が2017年の市場規模を調べたところ、前年比約2倍の148億円となる見通しだ。新規事業者の多数参入などに伴い、約5倍の成長率を記録した2016年と比較すると、落ち着きがみられるものの、引き続き高い成長となる見通しとなっている。
2018年は前年比約6割増の237億円と予測。関連事業者間では供給面がほぼ飽和状態に達したとの認識が広がる一方で、需要は拡大し続けることから広告単価が上昇し、以後も安定した伸び率を示すと予測されている。2020年の市場規模は2017年比約2.4倍、349億円に達する見込みだ。
広告主の主な需要形態は、LPや媒体社による記事広告
レコメンドウィジェット広告は、記事型の体裁を持つLP(ランディングページ)や媒体社による記事広告への誘導に多く使われている。またコンテンツマーケティングの一環として普及していくことが予想され、オウンドメディアへ誘導する事例も今後増えていくことが見込まれている。
また2017年10月時点においては、「レコメンド枠内のスペースに貼り付けられるリンクの転送先は記事型のコンテンツであるべき」という考え方が主流である一方で、商品購入ページなど記事型の体裁を持たない内容を直接的に宣伝する手法も一部では積極的に利用されている。
事業者は媒体社向けの新規サービスを模索
主に2014年から2017年にかけてレコメンドウィジェット事業者が続々と登場したことで、レコメンドウィジェットはコモディティ化しつつあるという認識が広がっている。そこで事業者は、レコメンド機能自体の差別化を図ることと同時に、広告費をレベニューシェアするパートナーとなる媒体社向けの新サービスのあり方を模索している。
レコメンドウィジェットの導入を検討する媒体社は、保有媒体の収益改善やユーザービリティーの向上に対して強い関心を持っている傾向がある。こうした需要をうまく取り込み、レコメンドウィジェットと合わせて記事の読了状況を計測するシステムや、記事の公開前後に見出しやサムネイルのA/Bテストを行う機能、コンテンツ単位での収益性を示す視覚化ツール、さらにはメディア・コンサルティングを提供することを特徴として打ち出している事業者が存在している。
一方、商品紹介ページを記事の見出しのような体裁へと自動的に変換するなど、広告主向けのサービスの拡充に注力する動きなども見られる。
【調査概要】
調査手法:各種公開情報などの収集、訪問によるヒアリング調査
調査対象:レコメンドウィジェット事業者、広告代理店、媒体社各社
調査期間:2017年3月~10月
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