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コメ兵とオープンハウスが語る、IT部門と連携するために求められること


オープンハウスがマーケ組織を置かない理由

安成:オープンハウスの組織体制はいかがでしょうか。

田口:当社の場合、社長が非常に優れたマーケターで、必要ならスピード感を持って部門を作ってしまうんです。たとえば2015年7月から2016年3月までデジタルマーケティング室がありました。私はそこの室長を担っていました。

安成:現在はデジタルマーケティング室がないということでしょうか。

田口:おっしゃる通りです。当社では、営業のモチベーションを上げるため、3ヵ月に1度組織改編を行っています。その中で当社は、あくまでもデジタルマーケティングを「営業の事業の売上を上げたり、コストを下げたりする支援するためのもの」であると思っています。

 そして、そのためにはITとマーケティングが一緒になって営業を支えることが必要だと考え組織を解体しました。その上でIT部門のスタッフに対しては、営業を支えることを考えるよう、マーケティングのスタッフに対しては、ゼロから1を作っていく力を磨いてほしいと伝えました。それによって生まれたものをどのように運用していくかを判断するのが私の役目だと思っています。

藤原:IT部門とマーケティング部門の活性化のために、私は先ほど両部門を合わせたチーム作りについてお話ししました。その中でコミュニケーションをうまく取っていくには、目的を明確化することがポイントだと思っています。

 私の場合、「目的は何か」ということを常に言い続けていて、それを口癖にしています。たとえばIT部門であれば、システムを導入することが目的ではなく、現場の課題を解決することが本当の目的です。

 その目的は、売上向上という定量的な目的から、満足度を上げるといった定性的なものもあるかもしれません。それを必ず書面に残し、いつでも目的に戻れるようにしています。

様々な部門を巻き込んでいくポイントとは

安成:オープンハウスさんのように、社内でデジタルマーケティングのプロトタイプを作れるような攻めのIT部門にするにはどうすれば良いのでしょうか。

田口:まずはマーケティング部門の予算の中で、請負契約や委任契約の形で、デジタルマーケティングに強い企業に依頼することが突破口になると思います。当事者として進めるのならば委任契約が良いと思います。もしくは、IT部門の中で、デジタルマーケティングに興味がある方がいれば、マーケティングに異動させてしまうのも良いでしょう。

 人件費と外注費を考えた場合、社内で迅速に開発できる体制が整っていれば、外注費が大幅に削減されますし、そういう実績を積んでいくことが必要ですね。

 内製のほうが早くて安い上、リリースした後に現場の要求に応えられ、改善を継続して進められるということは、経営上も大きなメリットです。外部からでいいので、マーケティング部門の予算の中で、できれば委任契約の形で必要な人材を取り込んでしまうことが第1歩になると思います。

安成:最後に、いろんな組織を巻き込んで仕事をしていく際、成功するポイントを教えてください。

藤原:店頭など現場にいるスタッフは業務が複雑かつ膨大にあるため、マーケティングに割く余裕はありません。そのためマーケティングは、現場のことも理解し、マーケティングも行うという、人の2倍動かないといけないと思っています。これは常々意識していることです。

田口:当社の例でいうと、営業側は、自分たちが稼いでいるという自負があるので、ITやマーケティング側からすると、「営業がきちんと使ってもらえるものにしないと、肩身が狭い」という意識も少なからずあるんです。

 それにITやマーケティングは、施策が複雑になるほど専門的な知識が必要になるので、営業からすると、何をやっているとわからないと思うことがあります。だからその透明性を担保するために、議論していかないといけない。こういう建設的な議論ができるかどうかがポイントだと思います。

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/12/06 15:01 https://markezine.jp/article/detail/27415

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