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四家正紀のネオコミュニケーション遊談

元CNET日本法人社長から学ぶネットビジネス成功の極意 前編


技術的視点からECの将来像を考えた日々

四家
NTTに入社されたのも この辺りがきっかけなんですか? 情報通信の分野に将来性を感じたとか?
御手洗
そうですね、大学生活の後半に、FirstClassというパソコン通信のソフトにはまっていて、あるホストのシグオペもやっていたりしたんですね。でも残念ながら、その会社が破綻してしまって…。
四家
でしたね。FirstClassってGUIがかっこよかったのに。
御手洗
そうなんですよ、UIとしてはMacライクで、非常に使いやすかったし、今でいう「足跡」みたいな履歴機能もついていて、なかなか面白かったんですよ。僕がシグオペを勤めていたBBSはかなり面白くて、中で交わされている情報も有益なものが多かったんですが、有料で運営されながらもつぶれてしまったと。じゃあ、どうすればこういうものを維持できるのか?というのを考えたのがきっかけだった気がします。あと、ポイントとしてはインターネットについての技術が学べる会社、という点でしたね。そうすると資金的にも余裕があって、通信のことを深くやっている会社がいいだろうという結論になるわけで、それでNTTに就職したわけです。
四家
なるほど。
御手洗
ただ、実は当時、今弊社の取締役をやって頂いている伊藤穣一さんからデジタルガレージにこないか? というようなお誘いも頂いていたりしてました。この件についてはぜひ橋本大也さんの記事を読んでいただければと思います注1)。
四家
伊藤穣一さんの話はあとでまた出てきそうですね。で、志望のNTTに入社されて。
御手洗
配属は、マルチメディアシステム部、という、当時のNTTでいうとマルチメディア3部の1つで、研究所と事業部の境界部門みたいなところでした。同期でも変わった人の多かったところですね。
四家
僕もちょっとつきあいがありました。なんか不思議な技術の不思議なビジネスプランがいろいろあったところですよね。
御手洗
私がいた部署はどちらかというとシーズ志向のところでした。技術からビジネスプランを考えるほうだったので、結構地味だったと思います。
四家
御手洗さんは、どんな技術を?
御手洗
私のプロジェクトは「将来のEC像を考える」みたいな部門で、ECに関連すると思われる技術をいろいろと扱っていました、その中で私の担当は、当時でいうところの、ECエージェント関連のものでした。ネット上のコンシェルジュを作る、というものですね。
四家
へえ。凄い技術ですね。
御手洗
で、その要素技術として、カタログ統合技術、というのを扱っていました。当時、ジャングリーという会社が有名だったんですが、さまざまなオンラインショップのホームページから、商品情報と価格情報をパースしてそれを集めて統合的に表示する、という技術ですね。これを実現しよう、というのが私の当初のミッションだったわけです。
四家
インテリジェンスがとても高い、ECサイトのサーチエンジンみたいな?
御手洗
ですね。で、そういったものを実現する上での技術的なアプローチというのは2つあって、1つは自然言語解析技術を磨いて、とにかくAIを駆使してページを解析するというアプローチと、それは大変なので、いまのWebページにそこに記述してある情報のそれぞれの意味をコンピュータに読み取れるように、タグを加えていくアプローチがあったと。
四家
ああ、どこまで機械にやらせるかですね。
御手洗
個人的にはそういったものが早期に実現することを選んで、独自タグを提案したらそれが採用されたわけです。
四家
メタデータの発想。
御手洗
そうですね、当時はまだXMLはありませんでしたが、じゃあそのタグを標準化するぐらいの気概を持ってやろうじゃないか、ということになったわけです。
四家
すごいなあ。
(注1)情報考学
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この記事の著者

四家 正紀(シケ マサノリ)

株式会社カレン次世代ビジネスリサーチ室長。インターネット広告の草創期からWebマーケティングに携わり、現在はカレンにて次世代販促コミュニケーションについての研究活動と、ブログマーケティング・ブロガーリレーションズ案件のプロデューサーとして活躍。寄稿、講演多数。 ブログ カレン次世代ビジネスリサーチ室ブログ

著書

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2006/10/23 12:23 https://markezine.jp/article/detail/274

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