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『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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定期誌『MarkeZine』特集

プログラマティックTVが現実に テレビ広告の進化と未来

 日本広告協会と日本民間放送連盟は、共同でテレビCM素材のオンライン運用を進め、2017年10月2日時点で民放テレビ局21局にてオンラインの受け入れが可能になった。また、これを受けて資生堂は10月6日オンエアのテレビCM素材をオンラインで入稿し、広告主の動きに先鞭をつけた。この動きに象徴されるテレビCMの変革は、今年どのように進むのだろうか? そしてテレビ広告の未来はどうなるのか? 資生堂ジャパンと、プログラマティック取引をはじめ各種広告テクノロジーを展開するC1Xをゲストに、じっくりとうかがった。

※本記事は、2018年1月25日刊行の定期誌『MarkeZine』25号に掲載したものです。

Q1.プログラマティックTVへ広告主が期待することは?

(左)C1X Inc.代表取締役 長山 大介氏(中央)資生堂ジャパン株式会社メディア統括部長 小出 誠氏(右)株式会社電通 電通総研カウンセル 兼 フェロー 株式会社電通デジタル客員エグゼクティブコンサルタント アタラ合同会社 フェロー zonari合同会社 代表執行役社長 有園 雄一氏
(左)C1X Inc.代表取締役 長山 大介氏
(中央)資生堂ジャパン株式会社メディア統括部長 小出 誠氏
(右)株式会社電通 電通総研カウンセル 兼 フェロー 株式会社電通デジタル客員エグゼクティブコンサルタント
アタラ合同会社 フェロー zonari合同会社 代表執行役社長 有園 雄一氏

C1X Inc.代表取締役 長山 大介(ながやま・だいすけ)氏
東京大学にて学士号・修士号・博士号を取得。2011年から広告テクノロジー関連を含む複数のスタートアップの創業に携わり、外資系ベンチャーキャピタルにてパートナーを務める。2014年にC1X Inc.を共同創業し、米本社の最高執行責任者および日本法人代表に就任。

資生堂ジャパン株式会社メディア統括部長 小出 誠(こいで・まこと)氏
1984年資生堂入社。大阪の販売会社の営業部門を経て、商品開発部。その後、宣伝部にてプリント媒体の出稿、イベントを担当。1994年より経営企画部で企業理念づくり、社内保育所の設置などを担当した後、2003年よりプロフェッショナル事業部でヘアサロンの業務用品事業および美容室などのサービス事業運営に携わる。2008年より経営企画部に在籍し、本社ビル建て替えとグローバル総本店新設を含む「銀座再開発プロジェクト」と企業サイトの運営を担当。2014年4月、コミュニケーション統括部長。2018年1月より現職(2015年10月より資生堂ジャパン)。

株式会社電通 電通総研カウンセル 兼 フェロー
株式会社電通デジタル客員エグゼクティブコンサルタント
アタラ合同会社 フェロー
zonari合同会社 代表執行役社長 有園 雄一(ありぞの・ゆういち)氏

早稲田大学政治経済学部卒。オーバーチュア(現・ヤフー)、グーグル(Sales Strategy andPlanning /戦略企画担当)を経て現職。2004年、検索キーワード入りテレビCMを考案、日本で最初にトヨタ自動車「イスト」CMが採用。2014年、Dual AISAS Model(R)を提唱。テレビ朝日の番組「#モデる」では番組企画を支援し、Dual AISAS Model(R)を利用して、「テレビ番組-テレビCM-SNS-Webサイト-EC/店舗」の連携を意図したコミュニケーション設計を行う。2016年9月電通デジタル客員エグゼクティブコンサルタントに就任。2018年1月、アタラ フェロー、並びに電通 電通総研 カウンセル兼 フェローに就任。

有園:今回は、MarkeZine定期誌の2018年新春第一号企画として、今年まさに実用化が進むと言われているプログラマティックTVがテーマです。昨年は、デジタルマーケティングという言葉がもはや意味をなさなくなり、マーケティング自体がデジタル化していくのだという見方が強まりましたが、その中で2017年10月2日にテレビCM素材のオンライン入稿の環境が整い、すぐに資生堂さんが最初に試したとニュースになりました。

 まず小出さん、御社は近年デジタルシフトにとても力を入れていると理解していますが、これは「先頭を切るべし」と指示されたんですか?

小出:先頭であればよりベストですが、「出遅れるな」と指示しましたね。当社は社内にクリエイティブを手がける宣伝・デザイン部がありますから、同部と社外とで調整して、まず適した一つのブランドでやってみようと。全部のブランドで開始するのは、今春を目処に考えています。

有園:従来のいわゆる物理的なテープや記録メディアでの入稿と違って、オンライン入稿の実現は、プログラマティックな運用に向けた第一歩です。この動きに、広告主としてどういうことを期待していますか?

小出:現実の状況は改善途中ではありますが、基本的にオンラインだと、入稿からオンエアまでのリードタイムが短くて済み、差し替えなども柔軟にできるのはメリットです。ただ、これは単に入稿に関する話で、オンラインになったこと自体は、“テレビの未来”にとっての本質的な話ではないと思っています。

 当社がプログラマティックTVに期待しているのは、精緻なターゲティングです。年代・性別だけでなく、化粧品に対して高い関心がある層、ファッション関連の購買意欲が高い層といった細かい特徴まで捉えて広告を配信したい。そもそも、オールターゲットに近い家電や携帯キャリアなどと違って、当社が扱っている化粧品は、LGBT、ジェンダーフリーが進む現代においても、まだ男女という考えが大きく関係するカテゴリーです。私も含め、一般的に男性が口紅を使う当事者として広告を見ることは、基本的にはあまりないですよね。すると、大まかに視聴者の半分が男性なら、広告費の半分がターゲット外への露出に使われている。それはもったいないという問題意識は、以前からありました。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長
1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。

★編集...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/02/25 18:00 https://markezine.jp/article/detail/27765

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