広告の仕組みの急速な進化
昨今、GoogleやFacebookを中心に、広告のフォーマットや配信ロジックのアップデートは異常なまでに早くなっています。
また、広告だけでなく周辺環境も日進月歩で変化しており、GCP(Google Cloud Platform)やAWS(Amazon Web Service)などのクラウドコンピューティングサービスを始め、Google Adwordsなども事業主の中で内製化して運用することを前提としたサービス形態になりつつあると感じています。
その結果、広告主は今まで以上に広告サービスについて知っておくべき項目が増えていますし、今後もますます増えていくことになります。
ただ、2017年にAIや機械学習がバズワードとなっていたように、サービスアップデートにともない自動化できる部分も増えてきました。
検索連動型広告もその恩恵を受けており、昨年はDSA(Dynamic Search Ad、動的検索広告)がローンチされました。筆者はGoogleが推奨しているHagakure構造のような考え方を持って広告運用をしていくことが今後重要になってくると考えています。
自動化時代の広告運用の在り方とは
本記事ではHagakureについての詳細な説明は省きますが、Hagakureの主な考え方はAdwordsの機械学習が最も効率的に進むように、「シンプルに整理された広告アカウント構造の上で、機械学習に反映できる統計的に十分なデータ量を蓄積する」というものです。
以前であれば、Google Trendのデータを参照し、自社が行っているキャンペーンで使用している言葉やニーズのありそうな言葉を、マーケターの感覚で一度すべて網羅的に設定してから、運用の過程で不必要なものや非効率なものを手動ではじいていくような作業を行っていました。
しかし、現在ではコンバージョン最適化やDSAなどの登場でわかるように、広告配信システムが効率的に機械学習できる設定にできていれば、今まで運用に必要だったリソースは別のことへ振り替えることができます。
オペレーショナルなことは機械に任せ、マーケターは「顧客にとって本当に重要な情報やメッセージは何か」を考えることに時間を割くことができるのです。
筆者は、最適化されすぎた未来では、セレンディピティといった人間の無駄やエラーによって起こる偶発的な幸せに出会える機会が減っていく可能性があることを思うと、絶望的な世界が待っていると考えていますが、働き方改革によって時間が削られ作業効率向上が求められ、負担が増大している今こそ、マーケターはツールを積極的に使い、顧客のために考える時間を作らねばなりません。