MAに必要なのはCRMとの連携
もう1冊として紹介するのは、『マーケティングオートメーション 最強の導入手法』です。国内600社を超える企業に対しマーケティングオートメーションを導入した実績を持つtoBeマーケティングの代表取締役CEOの小池智和氏が著者を務める同書は、「MAを最大限活かすためにはCRMとさせるべき」と主張している1冊となっています。

著者:小池智和 1,600円+税 KADOKAWA
小池氏によれば、アメリカでは2000年代前半から「MAとCRMを連携させる」という考えが根付いているといいます。一方日本の場合、MAがメール配信ツールレベルの活用にとどまっていて、データベースも整理されていないというのです。
そこで小池氏は、MAで取得できる顧客のWeb行動に関する情報とCRMで取得できる顧客の企業名や顧客ランクといった属性情報、顧客との電話履歴や展示会などの参加情報といった活動情報の統合をMAとCRMの連携で実現するというのです。
また、その統合のためには、顧客情報とWebの行動履歴として代表されるcookieを紐づけることが求められます。同書では、その状態の顧客を「アクティブプロスペクト」と名付けました。そして、アクティブプロスペクトを増やすためには、以下の3つが達成されるような施策を行うべきと語っています。
・Webフォームの通過
・メールのURLクリック
・1対1メール(のURLクリック)
具体的には、フォームの入力項目を「社名」「名前」「メールアドレス」にとどめる、HTMLメールの活用とそれに活かせるコンテンツの開発(調査レポートや動画コンテンツなど)を行う、個別メールもMA上から配信するなどです。
その他にも、B to Bマーケティング領域では注目度の高いABM(アカウントベースドマーケティング)やインサイドセールスなどに関する解説、MAを導入する際のポイント(組織の立ち上げ方、費用対効果の算出方法など)、MAを活用する企業の事例なども掲載。
「MAを導入しているけど上手くいっていない」「MAを導入したいけど、どこから始めればいいのかわからない」といった方には大変役立つ書籍かと思います。
人によっては明日からゴールデンウィークだと思います、ぜひ旅の移動中など空いた時間に両書籍を読んでみてはいかがでしょうか。