熱狂的なアプリユーザーに支えられている理由
――MERYは、PVの約92.8%がアプリ経由であるとうかがっています。これはメディアとして珍しい特徴だと思うのですが、ウェブとアプリではサービスに何か違いがあるのでしょうか?
青木:たとえば、アプリには「LOVE」という機能があります。自分が気に入った記事や写真に「LOVE」を付けることができるものでして、簡単に説明するとブックマーク機能のようなものです。また、LOVEしたものを一覧で見ることができる「BOX」という機能もあります。1つの記事に12,000超のLOVEが付いたこともあり、ユーザーに定着している機能となっています。
さらにユーザーは、他のユーザーがLOVEしたコンテンツをチェックしたり、逆に自分がLOVEしたものを発信することもできます。こうしたSNSのような使い方ができるのはアプリのみです。
前提として、ウェブよりもアプリユーザーのほうが、コアで熱度が高いことは間違いないですよね。コアなユーザーほど良い体験をしていただけるようなサービスの設計を意識しています。

――熱量の高いユーザーに支えられていることを、どのような点で感じていますか?
青木:プレゼントキャンペーンを実施した時に実感しました。キャンペーンについて、3~4本の記事で告知したところ、なんと7万ものご応募をいただいたんです。抽選のキャンペーンにも関わらず、これだけの数のユーザーが応募してくれることって、そうそうないと思います。
他にも、ユーザーからのフィードバックや膨大な行動データを基に、コンテンツや機能の改善に向けて、PDCAを回すことができることも有難いと感じています。スピード感をもって、PDCAを回すことができるのは、ユーザーのボリュームに支えられているからこそです。
デジタル広告の問題とは「無縁」でありたい
――2018年2月には、広告ビジネスも開始されましたよね。既に50を超えるブランドからの出稿があるとうかがいました。
青木:はい、我々は広告ビジネスをスタートする際に、今デジタルの業界で課題とされている問題とは「無縁」でありたいと考えました。そこで、「アドフラウド/ビューアビリティ/ブランドセーフティ」の3つに対して、それぞれ方針を設けています。
具体的には、ウェブでのViewは換算せず、アプリViewのみでPVを保証することで、アドフラウドとビューアビリティに対応しています。ブランドセーフティに関しては、アプリ内の誘導枠と自社SNSアカウント上のみに配信することで、健全性を担保しています。
――アプリのみでPVを保証するというのは、画期的ですね。
青木:デジタルの広告業界を取り巻く課題に対して、「真摯に向き合う」というだけでは語弊があります。そもそも「無縁」でありたいという思いが強くあるからです。
そして、MERYはメディア運営に関して、以前の反省もあります。ですので、我々がメディアとしてこのようにデジタル広告業界の健全性を追求することに、意味があるのだと考えています。
また、今デジタル広告市場においては、運用型広告が主流です。Facebook、Twitter、Amazonなど、運用型広告の強豪とガチンコ勝負をしても絶対に勝てませんし、効率も悪い。こうした背景のもと、メディアだからこそ提供できる広告商品を追求した結果、現在取り沙汰されている問題とは無縁の広告ビジネスを展開できています。