レポーティングと予測精度の向上に開発リソースを集中
――動画を見せるだけでなく、動画から会話が生まれる構造を動画広告のプロダクトに反映させているのですね。他にもマーケティングプロダクトの開発は進めていらっしゃいますか。

ここ1年ほど注力しているのが、計測を含めたレポーティングです。ブランドキャンペーンにおけるインパクト度合いがわかりやすく示されるようになる予定です。
またレポーティングの強化は、アドフラウド対策を強化する意味合いもあります。ロボットによる閲覧ではないか、不正なクリックではないかと広告不正に対するクライアントの関心や対策は高まっています。Twitterもそのニーズを受けたレポーティングの提供を進めています。
計測のシステムは、クライアントや代理店が業務で導入している計測ツールと統合していくことを前提にしています。たとえばニールセン、サイバーエージェントのAIRTRACKなど、既に多くの企業と取引を持つパートナーとの取り組みが進行しています。
そして、広告配信システムの性能改善にもリソースを投下しています。その中の1つが予測精度です。現在、データサイエンティストや機械学習のエキスパートが一丸となり、システムの向上を手がけているところです。どの広告がどのユーザーグループに対してうまく効くのかという予測精度が高まると、広告がユーザーにマッチする度合いも向上します。
さらに収益改善だけでなく、親近感が持たれる、あるいはユーザーグループの興味に関連性のある広告がどのようなものかという予測が可能になると、広告効果も高まるという点でも良い改善になると思います。
広告プロダクト開発とユーザーの利便性の両面で成長
――では最後に、今後のTwitterの展望についてお教えください。
くり返しではありますが、インターネット業界全体に起きた大きな変化、モバイルシフトと動画の消費。これらに対して、Twitterは様々な開発を行い、展開を広げます。これは広告収益の大きなチャンスでもあります。
そのための理念は大きく3つ。Twitterの独自性を活かした「Win Launch」「Connect with What’s Happening」「Promote My Brand Story」を軸に進めていきます。動画広告は、これら3つの理念をすべて包括するようなプロダクトとなるでしょう。そしてレポーティングと計測の向上、システムの性能改善も理念を実現することを目的として開発していきます。
そしてTwitter利用者の視点も忘れてはなりません。Twitterは、情報を求める人たちにとっての必需品とも言えるプラットフォーム。世界中のあらゆる人たちに対し、情報を獲得できる手段としてあり続けることはパワフルなミッションです。5年、10年という長いスパンの中で、追求していく必要があると考えています。