※本記事は、2018年6月25日刊行の定期誌『MarkeZine』30号に掲載したものです。
来場者数が8年の間に倍増
ハウステンボス株式会社取締役
イベント・マーケティング本部 本部長 関 好古(せき・よしふる)氏
1979年5月生まれ、東京都出身。早稲田大学第二文学部卒業後、日テレアックスオンに入社。ハウステンボスには2011年4月、広報宣伝課に入社。その後、宣伝部 部長、執行役員マーケティング部 部長、執行役員イベントマーケティング本部 本部長を経て、2017年12月に同社取締役イベントマーケティング本部 本部長に就任している。
――二度の経営破綻を乗り越えて、現在ハウステンボスが増収増益を重ねる好調を維持していると、多くのビジネスメディアで目にしています。テレビの情報番組でも、昔からのイメージの“オランダ”や“チューリップ”の切り口ではなく、たとえばイルミネーションや歌劇団によるショーなどが紹介されていて、多岐にわたる企画を絶えず展開されている印象です。まず、以前と現在の来場者の状況からうかがえますか?
当社は2010年にH.I.S.の傘下に加わりましたが、その前年の延べ来場者141万人に対し、昨年2017年には288万人へと倍増しました。2年前に熊本で震災があった際は少し減少しましたが、基本的には右肩上がりです。内訳も大きく変化していて、以前は8割ほどが九州内の方だったのに対し、今は半分強。残り半分近くが九州外から来てもらえるようになりました。具体的には20%が長崎、25%が福岡、東京が15%、他関西や山陽、四国などと続き、東京からの来園は昔5%以下だったので、大きく伸びています。
データ上、4軒のオフィシャルホテルの宿泊客は来場者全体の2割ですが、他に近隣ホテルもあるので、日帰り顧客が6割、宿泊をともなう顧客が4割程度という感触です。ただ、夜のイベントも増えており、満喫するのにお勧めは2泊3日なので、宿泊を訴求する広告も打っています。
――来場者の属性や年代などは?
ボリュームゾーンはやはり家族連れです。次に夫婦やカップル、女性同士ですが、この3つは割合に大きく差があるわけではなく、家族連れが少し多いという感じです。なので年代も幅広いですね。繁忙期はお子さんが多いですし、逆に閑散期の平日などは中高年の女性同士が目立ちます。
エリアや年代は、場内アンケートに加えてオフィシャルホテルの利用状況、公式サイトのアクセス元のエリアなどをもとに推測しています。