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「枠から人へ」のその先へ 再生率8割を実現した動画広告の“コンテンツ化”とは

 多くの企業で活用が進む動画広告。しかし、現状その8割がスキップされているという。そうした課題をいち早く捉え、オムニバスは2015年12月から広告主とメディアをつなぐプラットフォーム「VISM」を提供開始。メディアによる「動画の記事化」で、動画再生率8割という大きな成果をあげているという。開発の背景や活用法、得られた成果を同社の山本章悟氏と岩井亮氏に聞いた。

「枠から人へ」はもう古い?動画広告がスキップされてしまうワケ

株式会社オムニバス 代表取締役CEO 山本章悟氏(写真左)/株式会社オムニバス VISM Div. マネージャー 岩井亮氏(写真右)
株式会社オムニバス 代表取締役CEO 山本章悟氏(写真左)
株式会社オムニバス VISM Div.マネージャー 岩井亮氏(写真右)

MarkeZine(以下、MZ):オムニバスさんは2008年創業ということで、アドテクノロジー(以下、アドテク)の発展・浸透の様子を見てこられたと思います。そういった背景の中で、近年注目が集まっている動画広告市場の状況をどう捉えていらっしゃいますか。

山本:創業した当時、アドテクは黎明期でした。当時は「枠から人へ」がデジタル広告領域のキーワードで、今でいう「ターゲティング広告」が流行りだしていた。私も色んな場所でこのキーワードを主張していましたね。でも近年、この「枠から人へ」の負の側面が現れ始めました。

 たとえばあるサイトを見ている時、そのサイトとまったく関係のない広告が出てきた、というような経験がみなさんあるのではないでしょうか。その理由は「枠から人へ」、つまり過去の行動履歴に基づいて広告が配信されているからですが、その結果、配信されているメディアとは関係のない広告が何度も様々なメディアで表示され、ユーザーには違和感が生まれるような状況になってしまいました。

 動画広告も類にもれず、ユーザーが見たい動画コンテンツと広告が異なっているのが現状です。たとえば、私は自分のスマホで娘に子供向け動画を見せることがあるのですが、その時に出てくる広告が生命保険のものだったりするわけです。これはスマホの持ち主である私をターゲティングしているからですよね。また動画広告においては、動画コンテンツや記事コンテンツを閲覧しようとしたユーザーに対して邪魔をするような形で広告を露出する配信方法が多く、ユーザーの反感を買っていると言えます。

 こうしたケースが多発した結果、ユーザーは動画広告へ不快感を抱くようになりました。データによると、若年層を筆頭に全体平均で75%以上のユーザーが動画広告に対し不快感を抱いています(2018年ジャストシステム調べ)。そして、ユーザーの8割は動画広告をスキップしています(2015年マイボイスコム調べ)。

MZ:最近はスキップできない動画広告もありますよね。

山本:あのフォーマットはあまり良いものではありません。ユーザーは広告の先にある動画を見たいわけですから、スキップできないことにストレスを感じ、場合によってはブランドに対して悪いイメージを抱くようになります。

 デジタルの時代となり、ユーザーが力を持つようになりました。そのため、これまでのようなブランドからユーザーへの一方通行の広告は通用しなくなるでしょう。

広告を「コンテンツ化」する

MZ:では、広告主はどのように動画広告を配信すればいいのでしょうか。

山本:「枠から人へ」という流れの中で、過度なターゲティングが進みました。その結果、掲載面(広告枠)が軽視されてしまった。ユーザーに見てもらうためには、広告をコンテンツ化するという視点を持ち、改めて広告枠の価値を見直す必要があると思います。

 「VISM(ビズム)」は、広告主の動画をメディアに記事化してもらうことで、広告のコンテンツ化を図ったものです。大きな特徴として、広告主には、記事内容をメディア側の判断に委ねていただくことにしています。もちろん間違った情報や誹謗中傷などは修正しますが、基本的にはメディアがそのメディアに適したコンテンツを配信する、「メディアネイティブ」を大切にしています。

「VISM」活用の流れ
「VISM」活用の流れ

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動画×メディアの相乗効果で、思わぬ動画が拡散することも

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この記事の著者

福島 芽生(編集部)(フクシマ メイ)

1993年生まれ。早稲田大学文学部を卒業後、書籍編集を経て翔泳社・MarkeZine編集部へ。Web記事に加え、定期購読誌『MarkeZine』の企画・制作、イベント『MarkeZine Day』の企画も担当。最近はSDGsに関する取り組みに注目しています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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