“学ぶAI”から“生み出すAI”へ――。AIの技術開発における最新のトレンドを、楽天技術研究所の森正弥代表はそう表現する。自らデータを生み出す「クリエイティブAI」は、AIの活用には多量のデータが必要だとされていた従来の概念を覆し、完全なるOne to Oneのアプローチを実現する可能性を秘めている。4月、楽天グループのアメリカ本社があるサンマテオに開設した世界5拠点目の研究所でも、クリエイティブAIを中心に研究していくと言う。AI研究の現在地と楽天の取り組み、そして広告領域における課題を聞いた。
※本記事は、2018年10月25日刊行の定期誌『MarkeZine』34号に掲載したものです。
アカデミアとビジネスの融合が進んでいる

楽天株式会社 執行役員 兼 楽天技術研究所 代表
公益社団法人 企業情報化協会(IT協会)常任幹事 森正弥(もり・まさや)氏
アクセンチュアを経て、2006年楽天入社。現在、同社執行役員兼楽天技術研究所代表として世界5ヵ国にある研究所を率い、研究開発の統括を行う。日本データベース学会理事、日経ITイノベーターズエグゼクティブメンバー、一般社団法人G1「ディープラーニング研究会」ボードメンバー。2018年NY国連本部でSDGs(継続的開発目標)に関する研究所の取り組みを報告する等、国際社会への技術貢献もテーマとして取り組む。2013年日経産業新聞にて「40人の異才」に選出。著作に「クラウド大全」(日経BP社、共著)、「ウェブ大変化パワーシフトの始まり」(近代セールス社)がある。
――森さんは、楽天技術研究所が2005年に設立されたときに楽天に参画され、当時から代表を務められています。ここまでの経緯を少しうかがえますか?
当時、私はコンサルティング会社に勤めていました。そのころのネット業界は勢いを増して他のビジネスにも影響を与え始め、新しいサービスやアプリケーションを提供者とユーザーが一緒に作るような流れが出てきていました。同時に、データ量も増大してAPIで様々なシステムが連携し、学術領域と産業界もシームレスにつながりつつあったので、企業では高度な学術的知識に基づいたサービスやテクノロジー開発が重要になるだろうと考えていました。各国の人と仕事をする中で、日本の遅れに強い危機感を持っていたこともあり、楽天に企業研究所の設立を提案したところ、ちょうど三木谷さんら経営陣でもその必要性を議論していたタイミングだったんですね。そこで、私が入る形で設立したのが当研究所です。
そうした背景があるので、我々は常に実際のビジネスのデータを活用し、学術的な見地からビジネスに使える技術研究を続けてきました。楽天本社とずっと同じビルに入っているのもそのためです。
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高島 知子(タカシマ トモコ)
フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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