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第106号(2024年10月号)
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アドテック東京 2018(AD)

“気づく力”をAIが代替する時代が来た!「ビッグデータ×ディープラーニング」で成長を続けるヤフーの今

消費者、市場、社会の3つの観点で貢献していく

 この永続的かつ複利的な効果をもたらすデータ活用を通して、ヤフーでは自社サービスの向上とともに、生活者、市場、そして社会という3つの観点で社外へ貢献している。

 まず生活者の観点では、よりニーズに合った提案をして、生活を手助けすること。ヤフーのログインユーザーの検索を時系列で分析すれば、どのタイミングでどういった情報が必要なのかがわかるため、よりピンポイントなニーズを捉えた商品や記事をレコメンドできる。ユーザーのコンテキストに沿った提案が可能になるというわけだ。

 次に市場については、同じく検索を用いた販売予測が77%の的中率という実績を基に、商品やサービスリリース直後の検索から実売を推測することで、無駄のない生産計画やプロモーションに活かすことができる。

 そして社会に対して、川邊氏はYahoo!路線検索での事例を挙げる。このサービスの特異なところは、ユーザーが今知りたいことを捉える一般検索と違い、数十分後などの近未来の移動を推測できる点だ。それを活かして、複数の入力を面として捉えて分析し、ある花火大会の開催日に混雑回避を目的としたプッシュ通知を展開した。

 会場に向かうと思われるユーザーに、混雑が予想される経路や時間帯を知らせて回避を促したところ、アプリの開封率は26%、そしてその提案によって行動を変えたユーザーは60%以上に及んだという。

 これは公共の利益という観点から、ヤフーだからなし得た大きな貢献だ。「東京2020を控えて街なかのデジタルサイネージも増え、ライドシェアなどの新たな移動サービスの登場もいわれています。ビッグデータ×AIによって人の移動をスムーズにする提案は、社会貢献としての意義を一層増すと考えています」

スマホ決済「PayPay」でオン・オフのデータ統合へ

 雑多で多様なビッグデータの力を活かせば、匿名性を担保した上でもこれほどに個々のコンテキストに沿った提案ができるのだ。「データの力は、まだまだ解き放たれていない。これをヤフーは解放していきたい」と、川邊氏は力を込める。目下、ヤフーではデータに加えて最先端のディープラーニングの技術を活用できるハード環境やコンピューターの独自開発などをもって、自社としても企業への支援としても、より洗練された体験の提供に挑んでいく。

 さらに今後の「マーケティング革命」として挙げるのは、かつてない規模のオフラインデータとオンラインデータの統合だ。現状の月間4,500万のIDベースに、同社とソフトバンクによる合弁会社でスタートした決済サービス「PayPay」による決済情報を加えて、一人一人を包括的に捉え、メディア接触から購買まで一気通貫で展開できる販促ソリューションを年度内にもリリースする予定だという。特に、ヤフーがECチャネルだけでなくメディアを有していることは、非購買モードのユーザーにアプローチできる点で「我々が企業に提供していきたい最大の特徴」だと位置づける。

 PayPayの普及とそれによるオフラインデータの大幅な蓄積が、直近の課題だ。関係企業と協業し、それを短期間で実現していく。川邊氏は「“統合マーケティング”は概念ではなく、本当に実践してユーザーが動くことなのだと証明していきたい。1回のキャンペーンで100万単位の人が動くような、そんなソリューションを目指しています。ぜひこの革命に、皆さんと一緒に邁進できれば」と呼びかけ、マーケティングを牽引する唯一無二の存在へと進化している姿を印象づけた。

 今回キーノートや各セッションで語られたことが、この1年でどうなっていくのかを注視していきたい。 来年の「アドテック東京2019」は、2019年11月27日~28日、東京国際フォーラムでの開催が決定している。来年のこの舞台でも、新たな気づき・学びが得られるはずだ。

【アドテック東京2018概要】
総来場者数:1万4,160名
日 時:2018年10月4日(木)~5日(金)
会 場:東京国際フォーラム 〒100-0005 東京都千代田区丸の内3丁目5―1
カンファレンスプログラム:6キーノート、60カンファレンスセッション
公式スピーカー:237名
公式スピーカー:花王/ライオン/資生堂ジャパン/セブン&アイ ホールディングス/プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン/アサヒビール/キリン/イオン/アウディ ジャパン/Facebook/カルビー/エステー/日本コカ・コーラ/イトーヨーカ堂/ファミリーマート/日本航空/トヨタ自動車/Jリーグ/コーセー/九州旅客鉄道/メルセデス・ベンツ/ネスレ日本/アダストリア/日産自動車
他(順不同)
主催:コムエクスポジアム・ジャパン株式会社
公式サイト

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2018/10/29 11:00 https://markezine.jp/article/detail/29468

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