落ち着いた瞬間に自分のキャリアを変えていく
モデレーターの友澤氏は、2人のキャリアを考察するにあたって、ある理論を紹介した。それはスタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が提唱する「プランドハップンスタンス理論」。個人のキャリアに関しては、その8割が予期しない出来事や偶然の出会いによって決定されるという考え方だ。偶然を味方につけるためには、5つの要素が大切だと言われている。
好奇心:新しいことを学習しようと模索する
持続性:失敗に屈せず努力し続ける
楽観性:ポジティブに物事を考える
柔軟性:こだわりを捨て、信念、概念、態度、行動を変える
冒険心:結果が不確実でも、リスクをとって行動を起こす
友澤氏は、2人のキャリアにはこの要素がすべて含まれていると指摘。
「2人とも常に好奇心を持ち続けている。転職というのは、学習の機会を探した結果の行動でもあるわけです」(友澤氏)
「柔軟性」に関しては、長瀬氏が「自分を変えられるくらい愛着をもって仕事をするべき。知らない文化を楽しむことも大切」と助言。友澤氏も「非合理的な業務を命じられても、いったん楽しもうと考えれば、仕事はおもしろくなる。キャリアも適切に上がっていくはず」と応えた。
また友澤氏は「冒険心」にも言及。「あるところまでいって、そこで落ち着くというよりも、落ち着いた瞬間に自分のキャリアを変えていくことが重要」と話した。
約1時間にわたって繰り広げられた本セッション。最後は、データアナリストを中心とした参加者に対して、登壇者からアドバイスが贈られた。
「目標設定が必要。到達点をクリアにして逆算し、キャリアを積んでほしい。データ分析者はCDOを目指していくのも良いと思う」(長瀬氏)
「仕事や会社のガンになっている難しい問題を解くだけでなく、問題そのものを見つけてくることが大切。そうすると、データアナリストの価値はぐっと上がる」(菅原氏)
「問題を見つけてくることは、アナリストだけでなくすべてのビジネスマンにお勧めしたい。自分のキャリアをアピールする、非常にいいチャンスです」(友澤氏)