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イベントレポート

【キャリアってどう積むの?】LDH JAPAN 長瀬氏&Moonshot 菅原氏が実体験を語る

 「キャリアを構想する」をテーマに、イー・エージェンシーが主催した本セッション。「完璧に構想していた」LDH JAPANの長瀬氏と、「導かれるままに転職してきた」Moonshotの菅原氏が登壇し、議論を交わした。正反対に見える両氏は、それぞれどのようにマーケター人生を切り拓いてきたのだろうか? また、モデレーターを務めるパーソルホールディングスの友澤氏が指摘した、2人の共通点とは? 

激動のキャリアを大解剖

 2018年12月6日、イー・エージェンシーのユーザー会において「AI/スマートテクノロジー時代に向けた特別セッション キャリアを構想する」と題したセッションが行われた。パーソルホールディングスの友澤氏がモデレーターを務め、LDH JAPANの長瀬氏と、スマートニュースを離れ、独立したMoonshot 菅原氏が登壇。これまでの経歴を振り返りながら、マーケター人生の節目に考えてきたことや、仕事への向き合い方を語った。

左から、パーソルホールディングス株式会社 エグゼクティブデータストラテジスト 友澤 大輔氏、株式会社LDH JAPAN執行役員 CDO/デジタルマーケティング本部長 長瀬 次英氏、株式会社Moonshot 代表取締役 CEO菅原 健一氏
左から、パーソルホールディングス株式会社 エグゼクティブデータストラテジスト 友澤 大輔氏、
株式会社LDH JAPAN執行役員 CDO/デジタルマーケティング本部長 長瀬 次英氏、
株式会社Moonshot 代表取締役 CEO 菅原 健一氏

市場価値の高い履歴書はこうして作られた

株式会社LDH JAPAN 執行役員 CDO/デジタルマーケティング本部長 長瀬 次英氏

2000年にKDD(現、KDDI)に入社。その後、J.ウォルター・トンプソン ジャパン、ユニリーバ(ジャパン&オーストラリア)やニュー スキン・ジャパンにおいて、マーケティングやブランディングに携わる。デジタルキャリアとしてフェイスブック・ジャパンやインスタグラム日本事業代表責任者、日本ロレアル CDOなどを経て現職。

 エンターテインメント企業LDH JAPANの執行役員兼CDOを務める長瀬氏。「ヘッドハンターやキャリアサイト関係者には常に『上位に入る』と言われる、完璧な履歴書」と自身のキャリアを振り返る。その原点は就職活動の時。「若くして社長ないしトップになる」という意識を持ち、就職時にはゴールを37歳と定め、その道のプロ「ヘッドハンター」達にキャリア設計を相談したのだという。

 「キャリアを作るにはプロに任せた方がいいと思って。ヘッドハンターを4~5人集めて、社長になるために必要なプラン『キャリア戦略』を提案してもらったんです」(長瀬氏)

 デジタルやITという言葉がまだ一般的ではなかった当時、ヘッドハンターたちは「テクノロジー」が流行すると予測していたそうだ。

 社長になるためには様々なスキルを獲得しなければいけない一方、会社員が自らの仕事内容をコントロールするのは難しい。そこで長瀬氏は、社長/トップになるためのスキルをひとつ身に着けるごとにヘッドハンターたちと相談。転職を活用しながら、キャリアを積んでいった

 「たとえば社長になるには、最低50人の部下を持たないといけないと言われている。とすると、50人の部下を持たせてくれる部署を任せてくれるジョブオファーじゃないと受けなかった」と語る長瀬氏。インスタグラムの日本事業責任者、つまりトップになるという目標を達成したのが、ちょうど37歳のときだった。

長瀬氏の「人生グラフ」。横軸に年齢とキャリア、縦軸に幸福度を取っている。(セッション資料より抜粋、以下同)
長瀬氏の「人生グラフ」。横軸に年齢、縦軸に幸福度を取っている(セッション資料より抜粋、以下同)。

 すべてを思いのままにコントロールしているように見えるが、犠牲にしてきたことも多々あるという。社長になるという夢を叶えるまでは、仕事にしてきた分野のほとんどが「仕事としてハマりはするが、プライベートでは好きではないこと」だった。長瀬氏の「人生グラフ」を見ると、右肩上がりのキャリアとは対称的に、気持ちの面での幸福度は下がり続けている。

 しかし気持ちが沈んだときには、順調に積んでいったキャリアや、それがもたらす役職や給料が心の支えになった。大学で出会った生涯の付き合いとなる友人たちとの会合も、励みになったという。

 「キャリアをしっかり構想していると、悪い上司がいようが、部下がいようが無視できる。このプロジェクトを成功させれば、履歴書に書ける、ステップアップの先が見える、と」(長瀬氏)

 また、長瀬氏の経歴において際立っているのは、大企業を渡り歩いてきたことだ。ここにも「構想」がある。ビジネスマンとして日本で成功しようとすると、時に自分より経験を積んだ重鎮たちと戦わないといけない場面が必ず出てくる。そんな重鎮たちと渡り合える力を、大企業で養おうと考えたのだ。

 転職を重ねる中で、まだ自分のことをよく知らない人と交渉しなければいけない場面でも、「それまでのキャリアがあったからこそ一目置かれ認められた」ことがたびたびあったという。

 現在はファッションやエンターテインメント、音楽といったプライベートでも大好きな領域を手掛け、「とても幸せ」と語る長瀬氏。もし現在学生だったら何をやり直す? との質問には、「社長になるというゴールを、もう少し早い32~33歳に設定する」と答えた。「今はもっともっと早く、若いうちから好きなことをできる時代」だと捉えている。

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この記事の著者

蓼沼 阿由子(編集部)(タデヌマ アユコ)

東北大学卒業後、テレビ局の報道部にてニュース番組の取材・制作に従事。その後MarkeZine編集部にてWeb・定期誌の記事制作、イベント・講座の企画等を担当。Voicy「耳から学ぶマーケティング」プロジェクト担当。修士(学術)。東京大学大学院学際情報学府修士課程在学中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/01/10 08:00 https://markezine.jp/article/detail/29944

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