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「動画クリエイティブはもはや消耗品」須藤憲司氏が語る、目に留まる動画広告とカイゼンPDCA

あらゆる素材から動画が作られている

――PDCAサイクルを高速化するために多くのパターンの動画がある方が良いとわかっても、制作費や人件費などのリソースがかかるという課題が出てきますよね。

須藤:動画を低コスト短納期で作る方法はいろいろあります。まずは、少し長尺のテレビCMを短い尺の動画に再編集して、複数パターン作るという方法。次に、バナー広告の素材をアニメーションして動画にすること。これは金融系のクライアントに多く、静止画のバナー広告に比べてパフォーマンスが劇的に改善しています。そして、ランディングページや記事を素材に動画化すること。グラフなどをアニメーションすることで、目に留めてもらいやすくなります。ビズリーチの運営する「キャリトレ」のInstagramフィード広告も、ランディングページを素材に制作しました。


須藤:あとはチラシやパンフレット、ポスター、営業資料といった印刷物を素材に動画化することもできます。これは引き合いが多く、なかなか印刷物を手にとってもらえないという課題の解決にもつながっています。チラシはジオターゲティング(ユーザーの位置情報などを解析して親和性の高い情報を表示する)との相性も良いです。

――そう考えると、既存の素材で多くの動画を作ることが可能になりそうですね。

須藤:ほとんどの企業が、大量に素材となり得るものを持っています。弊社では去年1年間で数千本の動画を手がけてきましたが、そのうちランディングページの動画化が約20%と一番多く、続いて静止画バナーの動画化が約15%、動画素材の再編集が約13%、チラシの動画化が約12%となっています。

動画広告の勝負は2秒以内に決まる

――他のコンテンツやタイムラインなどに埋もれることなく、ユーザーの目に留めてもらうためにはどうすればいいでしょうか。

須藤:ファーストインプレッションが重要で、特にモバイルの場合は1.7秒の間にユーザーの目を留めないと見られません。2秒以内にビジネスの成否が決まってしまうということです。

 テレビCMは視聴者に強制視聴させるものなので、動画の後ろの方にメインメッセージを持ってくる傾向がありますが、動画広告として再編集する際には、最初にメインメッセージを持ってくるようにします。ブランドや商品名も最初に出すことが鉄則です。なんの広告なのかわかっていたほうが見てもらいやすくなりますので。

 また、スマホをスクロールする親指を止めさせるために、細かくカット割りして画面がスピーディーに切り替わるようにします。人物や目立たせたいものはクローズアップするという表現も効果的ですね。ニューバランスのTwitter広告では、最初にロゴを出してブランドを明示し、細かいカット割で目を惹くようにしました。


須藤:ユーザーは動画広告のためにインターネットを使っているわけではないので、まったく集中して見ていないわけですよ。だからこそ、最初のインパクトでアテンションを取り、結論を先に見せることが重要となります。そしてその後に、アクションまで導くストーリーラインを用意しておきます。

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プラットフォームの特性に合わせた動画に

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この記事の著者

平田 順子(ヒラタ ジュンコ)

フリーランスのライター・編集者。大学生時代より雑誌連載をスタートし、音楽誌やカルチャー誌などで執筆。2000年に書籍『ナゴムの話』(太田出版刊)を上梓。音楽誌『FLOOR net』編集部勤務ののちWeb制作を学び、2005年よりWebデザイン・マーケティング誌『Web Designing』の編集を行う。2008年よ...

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市川 明徳(編集部)(イチカワ アキノリ)

MarkeZine編集部 副編集長
大学卒業後、編集プロダクションに入社。漫画を活用した広告・書籍のクリエイティブ統括、シナリオライティングにあたり、漫画技術書のベスト&ロングセラーを多数手がける。2015年、翔泳社に入社。MarkeZine編集部に所属。漫画記事や独自取材記事など幅広いアウトプットを行っている。
...

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MarkeZine(マーケジン)
2019/02/05 09:00 https://markezine.jp/article/detail/30234

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