売り上げの好調・不調の要因を一目で確認
――では、「iTree」とはどのようなツールか、概要をお聞かせいただけますか?
坂爪:「iTree」は、マーケティングデータの分析を自動化する消費財メーカー向けのダッシュボード・アプリケーションです。第一弾コンテンツとして提供開始した「トラッキングナビ」では、商品を販売した後に、定点的に見なければいけないデータを集め、どこに売り上げの好調・不調の要因があるのかということを一目で確認することができます。
使い方はシンプルで、まず「iTree」を開いていただくと「販売量」「シェア」など、あらかじめ設定しておいた目標の達成度が確認できます。到達状況をチェックした後は、「認知」「購入意向」「トライアル購入」「リピート購入」という購買ファネルごとの達成度を見ていき、どこに好調・不調の要因があるかを検証していきます。
坂爪:たとえば上の例だと、「認知」「リピート」に問題があることがわかります。未達の要因を探るため、「認知」の詳細を見ると、ブランド認知経路や広告量は適切なのか、どれくらいの店舗に配荷されているのか、店頭で棚のスペースを確保できているか、といったチェックすべき項目がまとめられているので、それぞれの項目に関連する詳細なデータを競合商品のデータと比較しながら確認し、要因を特定していきます。
消費財メーカーのマーケティング課題を類型化
――集計したデータのどこを見ていけばいいかが直感的にわかるようになっているのですね。検証の論点などは、どのように定めていったのでしょうか?
飯野:「iTree」の構想段階から、外部の戦略コンサルタントにもプロジェクトに入ってもらい、マーケティング課題を類型化しました。そうして、消費財メーカーのマーケティングにおいてどのような論点があるかというロジックツリーを作っていったのです。検証の論点は、これらをベースに定めています。そして、論点の答えが出せるよう、データベースを横断して様々なデータを集約して、誰もがすぐに読み取りやすいよう順序立てて表示しています。
坂爪:ただたくさんのデータがあっても、日々データ活用をしている我々でさえ、どこを見れば良いのかというのはわかりません。先に仮説があって、どこにボトルネックがありそうだなという予測が立たないと、データは活用していけないのです。
「iTree」を活用いただくことで、これまで多くの時間・手間をかけていた「データ収集・分析」を大幅に短縮することができます。ぜひ、新しく生まれた時間で、本来時間や労力をかけるべきだった分析の深掘りや、施策プランの立案、商品開発などに注力いただき、業務の生産性を高めていってほしいですね。