インテージが持つ多数の「パネルデータ」を活かして
――他のマーケティングツールなどと比較すると、「iTree」ならではの強みはどんな点でしょうか。
坂爪:インテージだからできることが二つありまして、一つ目はクライアント企業が基幹として使っているパネルデータを多数保有しているところです。各社が持つ売り上げデータや出荷データはもちろん一番プライオリティが高いのですが、それらと比較するための競合や世の中一般のデータをふんだんにシステムに組み込むことができます。
二つ目は、これまで消費財メーカーだけでもおよそ400社と取引がある中で、各社が持つ課題に対してどういったデータを指標として見ているかという知見が溜まっていることです。それを先ほど飯野がお話ししたロジックツリーという形で「iTree」に落とし込んでいます。
飯野:導入コストも、BIツールと比較するとかなり抑えられるため、予算面で導入が難しかった中小企業や、なかなか経営者や上司の理解を得づらかった企業の方にも、導入してもらいやすいようになっているのではないでしょうか。「iTree」がデータ活用を企業内に根付かせるきっかけになればと思います。
すべてのマーケティング課題を解決できるプラットフォームへ
――最後に、今後の展望をお聞かせください。
飯野:とにかく1社でも多くの消費財メーカーに「iTree」の仕組みを知っていただき、使っていただきたいです。使っていただくことによって、不満点やいろいろなフィードバックも得られると思いますので、それを真摯に受け止めて、さらに強化していきます。
また、最初は「トラッキングナビ」だけですが、他の機能もお客様の声をいただきながら開発していきたいと考えています。
坂爪:「iTree」には「Marketing Navigation Platform」というサブタイトルをつけています。企業のマーケティング課題は商品の販売動向だけでなく、プランニングや営業の面にもありますので、将来的にはそういったところをすべて対応できるツールにできたらと思っています。
たとえば弊社のデータ以外にも、各企業の持っているデータや他の調査会社、データベンダーが持っているデータも「iTree」で取り込めるようにしていくなど、いろいろな課題に合わせた機能を開発・追加し、プラットフォームとして完成させていきたいです。
また、今は消費財メーカー向けのサービスですが、将来的にはサービス業や耐久消費財のメーカーにもお使いいただけるような機能も提供していけたらと考えています。