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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

統括編集長インタビュー

捨てる戦略とユーザーファーストの徹底 再成長を牽引する一休“データドリブン社長”の信念

サイエンスとコミュニケーション力の両輪で

押久保:とても腑に落ちるご意見なんですが、一方でマーケターの中には「広告を出稿したら終わり」というような、かつてのマス広告時代の常識をずっと引きずっている方もいると、感じる時があります。そもそも私自身が今の会社に入社して広告営業をしていた際、「広告を出してどうだった?」と反響やROIを問われる機会が少なかった。当時はそれが不思議でした。

榊:なるほど。私が元々いた金融なんて、完全にデータ主義ですからね。

押久保:ビジネス成果をデータで見ないというのは、榊さんからしたらきっと驚かれますよね。ただ、そういう風潮をまさにデジタルが変えていっているので、MarkeZineではデータドリブンを重視しているんです。今、ご自身で毎週データ分析をされているということでしたが、データサイエンティストやマーケターに必要な素養をどうお考えですか?

榊:これもグラデーションですが、データサイエンスの知見とコミュニケーション力のどちらかしかない状態だと、これからは難しいのではないかと思います。たとえば一休だと、データサイエンスの技術が高く、コミュニケーション力もある人は働きやすいと思いますね。どんなことをしたらユーザーに喜ばれるかというディスカッションが得意で、かつサイエンスもわかるという人も、楽しいと思います。

 昔は理系なんてオタクなイメージでしたが、若い人材を採用していると、今は両方できる人が少なくないんですよね。サイエンスがわかったら、今後はどの領域でも幅が広がると思います。

“こころに贅沢”させられる場を増やす

押久保:今後のサイエンスという観点では、AIは必ず挙がると思います。昨年「The AI Summit New York 2018」を視察されたと聞きましたが、どんなことが印象的でしたか?

榊:そうですね、率直にはアメリカの企業は非常にドラスティックですね。特にトレーディングはとてもAI向きですが、200人のトレーダーをAIと3人に置き換えたなどと聞くと、許容度の高さを感じます。ニューヨーク・タイムズやバズフィードの編集や配信の仕組みなども、進んでいました。

 さらにおもしろいのは、あらゆる領域で最先端が繰り広げられ、若い人からおじいちゃんまで生き生きとAIについて語っていたことですね。受け入れるメンタリティの差はあると思いますが、日本でもビジネスに有効活用する土台は整っていると思います。

押久保:AIによって、データドリブンのビジネスがさらに進みそうですね。最後に、一休の今後の展望についてうかがえますか?

榊:新しいことというより、目の前にある、世の中からの要請に引き続き応えていきたいと考えています。よく、市場をフォーカスするとあまり成長しないと言われますが、宿泊や飲食ではユーザーを絞り込んでもなお、そのパイが大きいんです。「一休.com」を相当額使われる層はまだ何倍にも伸びそうで、我々も市場の大きさがつかめていませんが、伸張する限り、顧客に愛される形で注力したいと思っています。

 また、ホテルや旅館に比べて、我々がこれからお付き合いしたいレストランはまだたくさんあるので、優良なお客様を送客できることを理解していただいて伸ばしたいですね。「こころに贅沢させよう。」のミッション通り、今後も贅沢な体験を提供できる場をもっと増やしていきます。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/03/06 09:00 https://markezine.jp/article/detail/30455

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