リタゲ専業からフルファネルにシフトした2つの理由
MZ:まさに今言及されたとおり、昨年からリターゲティング領域だけでなく、新規獲得領域を含めた「フルファネル化」にシフトされていますよね。事業領域を広げた経緯を教えてください。
マコード:フルファネル化した理由は2つあります。1つ目は、クライアントから多くのご要望をいただいていたからです。私がCriteoに入社したのは5年前なのですが、当時から「リターゲティング領域でこれほどの成果が出せているのだから、他領域にも展開してほしい」とのお声を多数頂いていました。
サービス領域を大きく広げることになるので、体制や仕組みを整えるのにある程度の時間が必要でした。十分な準備期間を経て、企業としても成長した今、フルファネル化へシフトしたのです。
2つ目は、オープンインターネットの世界を実現するためです。
今のインターネットビジネスは、いわゆる大手プラットフォーマーの各プラットフォーム内で完結し、閉じているものがほとんどですよね。大手は各自のプラットフォーム内の広告機能を洗練させ、顧客や商品にひもづくデータを囲い込む。プラットフォーマーとしては当然の動きだと思います。
一方で、当社は「オープンインターネット」思想を軸に置いています。すべての広告主が平等にチャンスを得られるような状態にするため、Criteoが誇る大規模なデータプールへのアクセスを可能にし、リターゲティングだけでなく新規獲得においても高度なパーソナライゼーションを行えるようにしたいと考えています。
Criteoならではの保有データの量と質でO2Oも支援
MZ:フルファネル化したCriteoは、どのような強みを持っているのでしょうか。
マコード:保有する情報が圧倒的に多く、しかも質が良い点が挙げられます。当社は多くのクライアントから信頼され、深い関係性を構築できているため、多数のユーザーデータを分析に活かすことができています。
クライアントのCRMデータと当社が持つユーザー購買データを匿名のショッパーグラフとして結びつけることで、1ユーザーの情報がリッチになり、より個別最適化された広告配信が可能になります。今後は、クライアントのCRMデータに含まれるオフラインデータを活用し、O2Oビジネスにも貢献していきます。
MZ:各クライアントが保有するデータがCriteoのプラットフォームに蓄積、統合され、よりリッチなユーザーデータとなってクライアントに還元されるというわけですね。
マコード:そうです。ちなみに、当社が保有するユーザー情報はもちろん暗号化されており、メールアドレスや住所など、個人を特定できるようなものではありません。早い段階からプライバシー保護は徹底しており、GDPR(EU一般データ保護規則)が策定される前から十分な対策を進めてきました。
これだけのレベルのユーザーデータを保有できているのは、長年実績を積み、クライアントからの信頼を勝ち得たからこそ。競合はどんどん出てきてはいますが、そう簡単に真似できる領域ではないと考えています。
リターゲティング広告を難しく考えすぎていませんか
リターゲティング広告のソリューションは数多くありますが、CPAの高騰、ROASの下げ止まりに悩むマーケターは少なくありません。そのような中、多様なチャネルのCVを最適化し、ROAS平均13倍を達成しているCriteoを活用した日本企業のベストプラクティスをご紹介します。