昨今、デジタルトランスフォーメーションの必要性が語られることは多くなっている。しかし、企業の中で実際に浸透しているかといえば、まだまだな状況だ。デンマークを拠点にグローバルでデジタルマーケティングプラットフォームを提供するサイトコアでCMOを務めるペイジ・オニール氏は、今まさにそうした課題に取り組んでいる。マーケティングを経営ごとにするうえでの障壁となる5つの課題の存在と、その解決策について聞いた。
企業は今、デジタル変革のときを迎えている

安成:2019年4月からMarkeZineの編集長に就任した安成です。本日はグローバルでエクスペリエンスプラットフォームを提供するサイトコアにおいて、2018年7月からCMOを務めるペイジ・オニールさんを訪問しています。これまでどんなキャリアを歩まれてきたのでしょうか。
オニール:私はテクノロジー業界で仕事を始めて、24年になります。過去12年にわたって、7社でCMOを務めてきました。まずオラクルで10年ほどマーケティングPRの部門で働いた後、IBMのインターネット部門に数年勤めました。その後は、シリコンバレーの小さなスタートアップ企業でも仕事をしてきました。サイトコアに入る前の2社は、サイトコアと同業種の企業です。そのため、デジタルマーケティングやデジタルのソフトウェアという業界においては、10年の経験があります。
安成:CMO就任以来、組織変革とブランド変革を行っているそうですが、現在はどのようなミッションに取り組まれているのでしょうか。
オニール:サイトコアでの私自身のミッションは、各企業のブランドづくりに貢献していくことです。今は、マーケットそのものが大きな変化を迎えている時期なので、サイトコアのテクノロジーを使っていろいろなお手伝いができると思っています。
昨今、マーケティングの分野では、デジタルトランスフォーメーションの概念に基づき、デジタル変革が起きています。これまで我々はテクノロジーありきという立場をとってきましたが、これからはマーケティングに注力したアプローチが必要になってくると考えています。
安成:クライアント企業に対してだけでなく、自社内でのマーケティング企業への変革も牽引されていると伺っています。どのような改革を行っているのでしょうか。
オニール:社内変革において、2つのミッションをもっています。まず、1つ目は、デジタル変革の時を迎えている中での成長を手助けすることです。今までサイトコアとしてお客様に提案してきたような変革を社内でも実践しています。具体的には、グローバル全体でサイトコアのWebサイトのプラットフォーム、そのWebサイトで掲載しているコンテンツを作り直しています。そうすることによって、お客様とのエンゲージメントを高めていくことができると考えています。
そしてもう1つは、マーケティングを経営ごとにするという文化に変えていくことです。マーケティングチームに関しても、よりサイトコアのテクノロジーをうまく使っていこうと取り組んでいます。
デジタル改革が進まない、5つの不都合な真実
安成:日本企業の多くも、デジタルトランスフォーメーションの実現やデジタル・エクスペリエンスの向上に向き合っていますが、進捗は芳しくありません。その障壁となる要因、それらを乗り越える方法はあるのでしょうか。
オニール:サイトコアではマーケターの方々に対して、デジタル変革におけるCMOの役割と、デジタル変革の中で企業はどんな課題を抱えているのか、といったリサーチを行いました。その結果、デジタル変革はとても重要であると考えている一方で、企業側はエンドカスタマーが望むような体験を提供できていないという課題を抱えていることがわかりました。
調査をした企業の95%が、カスタマーエクスペリエンスを改善していかないといけないと感じていると答えています。我々はこういった結果に基づいて、以下の「5つの不都合な真実」を導き出しました。
5つの不都合な真実
真実1:経営幹部はそこまでCMOに興味をもっていない
真実2:パーソナライズはフリーサイズではない
真実3:AIだけでは救世主になり得ない
真実4:コンテンツ地獄は自ずと解消しない
真実5:顧客データこそがマーケターのクリプトナイト(弱点)
安成:この調査は、どのような目的で実施したのでしょうか?
オニール:マーケターがフォーカスすべきエリアを特定するためのものです。具体的な調査データを見てもらうことによって、課題視することができるようになります。またこれらが、戦略的に自分たちで働きかける糸口を考えていただくきっかけとなればと思います。
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平田 順子(ヒラタ ジュンコ)
フリーランスのライター・編集者。大学生時代より雑誌連載をスタートし、音楽誌やカルチャー誌などで執筆。2000年に書籍『ナゴムの話』(太田出版刊)を上梓。音楽誌『FLOOR net』編集部勤務ののちWeb制作を学び、2005年よりWebデザイン・マーケティング誌『Web Designing』の編集を行う。2008年よ...
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