Twitterは広告と口コミの中間
最後に、小島氏はマーケティングにおけるTwitterの価値と役割について言及した。
「企業がお金を払ってでも届けたい広告を、Twitterの利用者は『プロモーションしていると明記したハッシュタグ』もなく無料で、そして熱量を持って他の人に届けてくれる。奇跡みたいなことが起こりうるメディアではないでしょうか」(小島氏)
さらに、「ツイートは広告と口コミの中間ぐらいの位置にあるもの」と小島氏は解説した。
「バズっている状態って人が好意的に思って他の人にパスしている状態ですよね。そう考えると、広告から口コミのパスを生み出す可能性もある。マス広告を作る際も、Twitterでもターゲットに反応されるようなものを作れると良いと思うし、そういう視点が今の若いクリエイターたちにとって必要な発想だと思っています」と話す。
心理的な面での憧れがブランドの価値に
茂呂氏は、講演内容を一通り話した小島氏に対し「ソーシャルでどういったブランド価値を作れると思うか?」と問いかけた。これについて小島氏は自身の考えを次のようにまとめた。
「ひとつは、人が日常的に触れる情報量が膨大になっている中で、企業の情報に触れて、それを他の人に広めてくれるぐらいのコミットメントを持ってもらえるようなものをブランドとして生み出せているかどうかは非常に大事な視点だと考えています」(小島氏)
さらに、「ブランドの立ち位置としては、色々な商品が出尽くしている今、僕たちが憧れる商品ってそんなにはないし、憧れを作るのはすごく難しい」とした上で、今後求められるコミュニケーションのあり方について語り、セッションを締めくくった。
「『共感』が僕ら世代の生活者に対するアプローチの手法として重要だと思います。僕らが出したものに対して笑ってくれたり、いいと思ってくれたり、パスしてもらえたりするような共感を作っていくのが良いのではと思います。プロダクトの中でなくても『こんなおもしろい、尖ったことするってすごい!』という心理的な面での憧れがブランドの価値になると思います」(小島氏)