過去に失注したリード、そのままにしていませんか?
次月の営業のノルマが達成できません。マーケティング・インサイドセールス部門から渡されるリードの品質を落として、より多くのリードをつないでもらってでも、商談数を増やしたほうが良いのでしょうか。

耐えてください。商談の機会を増やしたいがためにリードの品質を下げてしまうと、営業効率の悪化につながります。まずは、休眠顧客・失注商談の掘り起こしをすることをお勧めします。
売り上げが思うように伸びないと、確度を度外視して新規のリードをまわしてもらい、商談を増やしたいと考える営業担当者がいます。しかし、マーケティング部門はその依頼に応じて、検討度合いが高まっていないリードをそのまま渡してしまってはいけません。営業効率が悪くなってしまうので、ぐっと耐えてください。
ここで営業担当者がやるべきことは、過去に失注した見込み客や、以前は顧客だったものの今は契約していない休眠顧客の掘り起こし、つまり「リードのリサイクル」です。
過去に失注した見込み客についてはその理由を辿ってみることで、再度商談する糸口が見つかります。たとえば、「前期は予算の関係で導入できなかった」という見込み客は、今期は状況が変わっている可能性があり、再アタックする価値があります。休眠顧客も同様です。機能のアップデートなど、以前の契約時から改良した点を紹介するといったアプローチで再度商談につなげましょう。
また、リードの定義については連載の第3回「マーケ担当だけで頑張っていませんか?リード選別に『営業の視点や知見』を取り入れるコツ」で以下のように紹介しています。
Lead:メールアドレスに加えて、会社名や役職など+αの情報を取得できた見込み客。必ずしもペルソナに一致するとは限らない。
MQL(Marketing Qualified Lead):製品やサービスに関心の高い見込み客。マーケティングコミュニケーションで関心を高める必要がある。
SQL(Sales Qualified Lead):営業が商談を進めている(接触する価値のある)見込み客
Opportunity:商談中のリード
Customer:顧客となったリード
商談が失敗したときに、ステータスをOpportunityのままにせず、MQLまで戻すことで、再びマーケティング対象のリードになります。進んだ商談を失注した後にどう扱うかを適切に定義することで、リードのリサイクルが可能になります。
具体的には、1年前に商談に失敗した企業から再びWebサイトへのアクセスや資料ダウンロードがあった場合は再検討している可能性がありますし、担当者の異動などでまた導入が検討され直していることもあります。MAツールで見込み客の行動の変化を察知して通知するようにすれば、インサイドセールスからのフォロー、営業への引き渡しがスムーズにできます。
「他のツールを契約更新したばかりで導入できない」という理由の失注であれば、その契約期間が終わる数ヵ月前にMAツール(あるいはSFA)からアラートを通知するようにスケジュール設定します。契約継続を判断するタイミングで提案できれば、成約の可能性も高まるでしょう。
また、MAツールに登録しておくことで、担当者個人のタスクからチームへのタスクとして共有できます。年単位の時間が経つと、担当者の離職やチームメンバーの入れ替わりなどが発生するため、組織として情報を引き継ぎできる仕組みとしても有用です。
それでもリードが足りないという場合は、まだHotになっていないリードを営業部門に渡すこともひとつですが、これはあくまで最終手段と考えてください。マーケティング部門も広告の出稿量を増やすなど協力し、営業効率が悪化しないよう連携して取り組むことが重要です。