SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

西口一希と考えるマーケティング視点の経営

「パラレルキャリアで複数事業に成果を生み出す」スマニュー西口×シンクロ西井対談


顧客基盤ができるとリピートビジネスは跳ねる

西口:売上20億円から100億円だと、利益率はものすごい伸びでしたよね、きっと。

西井:そうですね、通常時で5%、最大で30%いきました。

西口:BtoCの商材は、スケールすると大変なことになりますよね、うれしい悲鳴。特にシーラボはリピート通販のモデルで、今でいうサブスクリプションだから、それもおもしろかったんじゃないですか?

西井:そうなんですよ、自分でやりながら、リピートビジネスの底力を知りました。顧客基盤ができると、利益率が圧倒的に高くなる。新規獲得にフォーカスしたマーケティングから、新規も獲るけどリテンションもしっかり獲る設計に変えて、最終的に高い利益率で回るビジネスにもっていけました。

西口:そういう取捨選択って、当然ですがPLをもっていないとできないですよね。

西井:もちろん、そうですね。何にどう投資して結果どうなったか、そのビジネスにあったKPIを設計することがマーケティングそのものと言えます。PLを見ずにマーケティングを考えるってあり得ないし、できないと思います

西口:その話、後ほどもっと掘り下げたいですね。それで2014年からオイラ大地(当時:オイシックス)の役員になり、起業された。その決断は、どういう理由から?

西井:ええと、オイシックスの前にもう一回世界一周しているんですよね。

「西井さん、ひとつより2つやるほうがおもしろいよ」

西口:なんと(笑)。

西井:30代も後半になって、デジタルマーケターとしてそれなりに結果を出せるようになったけど、この後じゃあ化粧品会社の社長をしたいかというと、そうでもない。とりあえず、何もなかった10年前と違って、今度はビジネス視点ももって、海外の新しいサービスやスタートアップも見てこようと思ったんです。

 で、オイラ大地からはその旅行中、コンサルティングの打診を高島(オイラ大地 代表取締役社長の高島宏平氏)から直接受けまして、リモートで引き受けることになりました。「今から南極に行くので、2週間くらい連絡取れないです」といっても理解してくれて(笑)。

西口:自由すぎますね。それで帰国後、コンサルよりもぐっと踏み込んでCMTに就任されたんですね。

西井:そのときも起業を考えていたので入るつもりはなかったんですが、帰国したあと高島が「両方やったら? 僕や西井さんみたいな思考の持ち主は、ひとつよりも2つやるほうがおもしろいよ」と言ってくれたので、僕も「そうか、2倍働けばいいんだ!」と。せっかくの人生だから、両方やってみようかなと思って、今に至ります。

 このときも、やはり社長と話が合ったというか、高島自身が起業家でとてもおもしろい人だったのが大きかったですね。

西口:なるほど。体力はさておき、2つ、3つと違う仕事をすると相乗効果が上がるのはよくわかります。でも、普通なら囲い込みたいと思うところ「両方」と背中を押した高島さんの発想もすごい。

西井:だから高島には本当に感謝しています、あのときどっちかに絞っていたら、今の自分はないので。事業会社でPLをもっているから、シンクロのクライアントとも外部アドバイザーではなく“自分の会社”と思えるような関係ができているし、結果も出しやすくなっている。今、すごくいいスパイラルが生まれていますね。

後編では、実際に西井さんがどのような仕事をしているのか、また今後マーケターに求められるキャリア形成の観点などをうかがいます。お見逃しなく!

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
西口一希と考えるマーケティング視点の経営連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

西口 一希(ニシグチ カズキ)

大阪大学経済学部卒業、プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン(P&G)マーケティング本部に入社。ブランドマネージャー、マーケティングディレクターを歴任。ロート製薬 執行役員マーケティング本部長として「肌ラボ」「Obagi」「メラノCC」「デオウ」「ロート目薬」などの60以上のブランドを統括。ロクシタンジャポン代表...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2019/07/11 17:43 https://markezine.jp/article/detail/31299

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング