インテージは2015年に実施した定量調査をもとに、生活者の意思決定の流れを構造化。本記事ではこの構造をもとに、生活者と絆を育む上で欠かせないブランド経験について考察する。
※本記事は、2019年6月25日刊行の定期誌『MarkeZine』42号に掲載したものです。
経験が重要になった背景
近年、「顧客経験」「ブランド経験」など、経験という用語がマーケティング研究や企業実務においてより頻繁に使われるようになり、実務上の必要性が指摘されている。しかし、その経験の定義は様々であり、測定方法、生活者行動との関係性、ひいては経験を作るための施策への応用までが確立しているわけではなく、研究分野としてその端緒が切り開かれたばかりである。実務においても顧客経験への関心が高まり、生活者の経験を主語としたカスタマージャーニーに再び脚光があたっている状況である。
この状況の背景として、急激な環境変化がある。まず「情報の変化」として、SNSやオンラインメディアの普及なども含む接点の多様化、情報の流れの複雑化、情報過多という状況が挙げられる。「生活者の変化」に関しては、ライフスタイルの多様化、生活者のメディア化など、従来のデモグラフィック属性やサイコグラフィック属性では対応しきれない変化が起きている。
これらの変化により、生活者とブランド間の接点が多様化および複雑化。さらに、デジタル文脈でのCX/UXへの関心や生活者自身のメディア化による共創の重要性が高まり、「モノ消費」から「コト消費」へと移行していくなど、「マーケティングの変化」も急激に進んでいる。
その中で多くの企業は、市場の成熟、商品・サービスのコモディティ化などから、機能面での差別化が困難となり、新しいタッチポイントを含め「顧客経験をどう捉え、いかに組み直して、ブランドのファンを増やせば良いのかわからない」という課題を抱えている。
カスタマージャーニーの描き直しや、発信する生活者の切り口での新しいセグメントの導入などに対応するため、ブランドエクスペリエンス関連の部門が新設された企業も、外資系を中心に多く見られる。
デジタル化の進展にともない、オンライン、オフラインを合わせたポジティブなカスタマージャーニーを設計するために、まずはどのように顧客経験の把握、意思決定構造の可視化を行うかという議論が進み始めているのだ。
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三浦 ふみ(ミウラ フミ)
株式会社インテージ 生活者データバンク 企画チーム チーフアナリスト
他業界でマーケティングを経験した後、2003年インテージに入社。顧客フロント、ソリューション開発、マーケティング部部長等をつとめる。一児の母。広島県生まれ。※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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星 晶子(ホシ アキコ)
株式会社インテージクオリス リサーチ推進部 部長
外資系市場調査会社にて、日本企業の新興国市場進出のための消費者調査に携わった後、2014年インテージに入社。定性調査ソリューションの開発・推進担当を経て、現在は定性調査専門の関連会社インテージクオリスに所属。 世界のさまざまな課題解決と事業戦略を統合させ、より良い社会の実現を...※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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