親になったミレニアル世代が作る新たなトレンド
子供を持つミレニアル世代における旅行需要の高まりで、旅行市場ではそのユニークなニーズを汲み取った新しいプロダクトやサービスの登場が相次いでいる。
旅行を想定したベビーカーは注目分野の1つ。ミレニアル世代に人気が高いのはBugabooやBABYZENだ。
Bugabooはオランダ発のモビリティ企業。ベビーカーを収納できるスーツケースなどを提供しており、欧米のミレニアル世代から支持を得ている。ツイッターの公式アカウントでは2万人以上のフォロワーを抱え、YouTube動画はこれまでに1,200万回以上再生されている。
フランス発のBABYZENも移動を楽にするコンセプトのベビーカーを開発し続けており、ミレニアル世代から広く認知されている。Instagramのフォロワーは10万人以上、YouTubeの累計再生回数は400万回以上だ。
子供を持つミレニアル世代の海外旅行頻度は高く、飛行機移動を楽にするアイテムへの需要も高い。
飛行機のシートを子供のベッドに変えるスーツケース「JetKids BedBox」は、そのアイデアがミレニアル世代の親たちに受け入れられソーシャルメディアで拡散、世界中で認知されるようになった。2018年1月にYouTube公式チャンネルで公開したプロダクト紹介動画の視聴回数は400万回近くに達している。
一方、ロンドン発のKeepEmQuietは、飛行機の中でも子供が退屈しないように遊べるグッズや飛行機のシートをベッドに変える空気注入式アイテムを提供。子供が退屈しないようにスマホやタブレットで動画を見せる親が多い中、デジタルデバイスを使わない絵本やおもちゃで遊ぶ時間を提唱し人気を得ている。
秘境や大自然など冒険旅行を体験してきたミレニアル世代の中には、自分の子供たちにも同じような体験をさせたいと考えている人は多い。一方、安全性の確保が最優先事項となるため、安全な旅行先を選ばざるを得ない。
そんなミレニアル世代の間で関心が高まっているのが「Glamping(グランピング)」だ。glamour(魅力的)とcamping(キャンピング)を組み合わせた造語で、利便性と安全性を損なうことなく、自然を体験できるバケーションスタイル。ツリーハウス、荷馬車、ユルト(テントの一種)、トレイラーなど様々なスタイルの宿泊施設が登場している。
オーガニック食やスローフードなどへの意識が高いと言われるミレニアル世代、食育を兼ねて子供たちを農場でGlampingさせるケースも増えていると言われている。
世界の旅行産業は今後も大きく伸びることが予想されているが、トレンドを作る中心がミレニアル世代であることは間違いないだろう。ミレニアル世代のライフステージ、さらにはその子供たちの成長ごとに、新たなトレンドが形成されていくことが予想される。その動向から目が離せない。
