今後の利用意向、「使いたい」24%、「使いたくない」39%
ライブコマースの定義を理解してもらった後に、今後の利用意向を今までの利用経験を問わず全員に聴取した。その結果、「使いたい」(とても使いたい+まあ使いたいの合計)が24%であったのに対し、「使いたくない」(全く使いたくない+あまり使いたくないの合計)は39%で、使いたくないという人のほうが15ポイント高かった。また、男女での傾向差はほとんどなかった(図表3)。

ベース:全体(n=1,000)
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使いたくないと答えた人にその理由を自由記述にて聴取したところ、「配信者が心から薦めている商品ではなさそう」、「企業側が売りたいものを紹介している下心が見え隠れする」など、ビジネス的な側面が悪目立ちして、気持ちよく買い物しにくい印象を持たれていること、(ライブであるため)自分の好きな時間、好きなタイミングで買い物できないことへの言及が多かった。
ライブコマースで買いたいものは「服」と「家電」
次に、ライブコマースの利用意向がある人に、何を買う際にライブコマースを利用したいと考えているか尋ねた。全体では「服」と「家電」が相対的に高く4割程度、「コスメ」と「家具」が3割で続く。「ホビー・楽器」、「書籍」や「CD・DVD」など、趣味・嗜好性が高いカテゴリーをライブコマースで買うことは、イメージがしにくいようだ(図表4)。

ベース:ライブコマース利用意向あり(n=238)
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ライブコマースの“良い点”についても聞いたところ、「画像やテキストではわかりにくい商品の様子を動画で確認できる」「買い物をするとき、不明点や疑問点を確認できる」「価格や商品の評価をその場で確認できる」が30%台で上位に、一方でライブコマースならではの特徴の1つである「著名人や配信者とのやりとり」は上位には挙がってこなかった。間口を拡げるという意味での著名人登用は有効かもしれないが、実際の購入活動をより豊かにするための「商品の説明を誠実にわかりやすくする」、「購入者の疑問点・不明点をあきらかにする」ことのほうがライブコマース視聴者にとっては重要であり、購買につながりそうである。
ライブコマースを使いたい人は、様々な買い物チャネルを使いこなす「買い物アクティブ層」
ライブコマースの利用意向がある人の“普段の買い物行動”を確認したところ、利用意向がない人に比べて、買い物チャネルの利用率は全体的に高い。ライブコマースの利用意向がある人は、多様な買い物チャネルを使いこなして(楽しんで)買い物をするアクティブ層であると言える。しかしそのようなアクティブ層においても、ライブコマースの視聴未経験率が57%と半数を超えており、言葉の非認知者も56%と高い。アクティブ層をターゲットとしたマーケティング活動により、短期的な市場の拡大が見込めるであろう(図表5)。

ベース:ライブコマース利用意向あり(n=238)、利用意向なし(n=388)
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▼調査レポート
『ライブコマースの利用意向やイメージに関する調査』(HoNote)